研究課題/領域番号 |
08670240
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
実験病理学
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
内藤 眞 新潟大学, 医学部, 教授 (30045786)
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研究分担者 |
薄田 浩幸 新潟大学, 医学部, 助手 (20282981)
長谷川 剛 新潟大学, 医学部, 助手 (90251800)
梅津 哉 新潟大学, 医学部, 講師 (50251799)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1997年度: 200千円 (直接経費: 200千円)
1996年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | マクロファージ / M-CSF / M-CSP受容体 / 個体発生 / op / opマウス / 分化 / マクロファージ枯渇法 / 妊娠 / M-CSF受容体 |
研究概要 |
本年度はマクロファージ枯渇マウスモデルやマクロファージコロニー刺激因子(M-CSF)活性欠損op/opマウスの検討を重点的に行い、マクロファージの組織での分化機構における局所産生M-CSFの役割を検討した。 M-CSF活性欠損osteopetrotic mouse(op/opマウス)は大理石病を発症する。この進行過程の観察とM-CSF投与実験から、本マウスのマクロファージ、破骨細胞の分化障害はM-CSF欠損が主因であることが明らかにされた。一方、老化によって骨髄のマクロファージと破骨細胞は徐々に回復する。他の臓器ではマクロファージは増加しないが、骨髄にはM-CSFを介しないマクロファージ分化経路が存在することが証明された。このマクロファージ分化経路の解明は今後の課題である。 dichloromethylene diphosphonate封入りボソームはマクロファージに取り込まれるとマクロファージにアボトーシスを誘導することを発見した。本法によるマクロファージ除去マウスでは肝や大網乳班にマクロファージの前駆細胞が増生し、組織マクロファージに分化することが明らかにされた。この際、各組織ではM-CSFが増産され、この前駆細胞はM-CSF反応性の細胞であることも確認された。さらに、M-CSF投与によってこれら前駆細胞の分化が促進され、マクロファージの分化におけるM-CSFの重要性が示唆された。 炎症におけるM-CSFの役割についても上記の方法で検討した。マウスにザイモサンを投与すると肝に肉芽腫が形成されるが、マクロファージ除去マウスでは肉芽腫の形成は顕著に抑制され、肉芽腫性炎症における組織マクロファージの重要性が示された。また、肉芽腫性炎症においてマクロファージはM-CSFをはじめとする種々のサイトカインを産生し、かつM-CSF受容体を発現する。マクロファージ除去により、血中のM-CSF濃度は上昇することから、マクロファージはM-CSFをオートクライン機構で利用し、マクロファージの分化と機能発現に重要な役割を果たしていることが明らかにされた。
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