研究課題/領域番号 |
08670272
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
寄生虫学(含医用動物学)
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研究機関 | 帯広畜産大学 |
研究代表者 |
吾妻 健 帯広畜産大学, 畜産学部, 助教授 (40117031)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1996年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | ミトコンドリアDNA / COI / ITS2 / PCR / 塩基配列 / 分子系統樹 / 肺吸虫 |
研究概要 |
本研究では、アジアに生息する肺吸虫のミトコンドリアDNAのCOI領域と核DNAのITS2領域をPCR法にて増幅し、塩基配列を決定して、コンピューター解析により系統類縁分析を行なった。解析した肺吸虫は、ウエステルマン肺吸虫2倍体(日本産、中国産、台湾産、フィリピン産、マレーシア産)、ベルツ肺吸虫(日本産、韓国産)、宮崎肺吸虫、大平肺吸虫、小型大平肺吸虫、佐渡肺吸虫、ヒロクチ肺吸虫、ケリコット肺吸虫、メキシコ肺吸虫の9種14集団である。コンピューターソフトClustl Vを用いて、COI領域393塩基対、ITS2領域363塩基対のalignment解析を行なった結果、まず日本産のウエステルマン肺吸虫とベルツ肺吸虫の間では、COI、ITS2ともほとんど差は見られなかった。しかし、日本産ウエステルマン肺吸虫と他の3つのアジア産(フィリピン産、タイ産、マレーシア産)ウエステルマン肺吸虫の間では、COI領域で36-46塩基対またITS2領域で6-8塩基対の違いが見られた。これは、別種間の違いに相当すると考えられる。次に、大平肺吸虫、小型大平肺吸虫、佐渡肺吸虫の3種の間では、COI領域で1-2塩基対のみ、またITS2領域ではまったく違いが見られなかった。この結果は、これら3種がsynonymであることを示している。PhylipとPaupの2つのコンピューターソフトを用いて、近隣結合法により系統分析を行なった結果、1)日本産では、ウエステルマン肺吸虫グループと大平肺吸虫グループはそれぞれ1つのクラスターを形成する、2)宮崎肺吸虫と大平肺吸虫グループは近縁であり、ウエステルマン肺吸虫グループはそのベースに結合する、3)ヒロクチ肺吸虫は、宮崎肺吸虫か大平肺吸虫グループに近縁であるが、どちらであるかはまだ不明である、4)ケリコット肺吸虫はメキシコ肺吸虫に近縁であり、アジア産の肺吸虫とは、遠縁である。
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