研究課題/領域番号 |
08670279
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
寄生虫学(含医用動物学)
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研究機関 | 佐賀医科大学 |
研究代表者 |
茂木 幹義 佐賀医科大学, 医学部, 助教授 (00039538)
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研究分担者 |
砂原 俊彦 佐賀医科大学, 微生物学教室, 助手 (50264156)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1997年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
1996年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | 地球温暖化 / 蚊 / ヤブカ / 卵 / 耐寒性 / 発育限界温度 / 耐乾燥性 / 分布 |
研究概要 |
文献に記載された蚊32種(ヤブカ属13種、イエカ属7種、ハマダラカ属7種、ハボシカ属1種、オオカ属2種、プソロフォーラ属2種)の発育と温度との関係を分析した。(1)亜寒帯以北に生息するヤブカ属やハボシカ属の種の発育限界温度は5°C前後あるいはそれ以下で、温帯以南に分布する種に比べて明瞭に低い。(2)温帯以南に分布する種の発育限界温度は10°Cあるいはそれ以上である。しかし、気温の高い地域の種の有限界温度が高いとは限らない。(3)種内での分布域による発育限界温度の差は認められない。(4)地球温暖化による分布域の北進が大きな問題になると予想される熱帯、亜熱帯に分布する種の発育と温度との関係については、極めて少数の古いデータしか無い。 シマカ亜属のヤブカ7種14系統の非休眠卵の耐寒性と耐乾燥性について室内比較実験を実施した。供試された種は、パウルジシマカ(分布域:熱帯)、スクテラリスシマカ(熱帯)、ネッタイシマカ(熱帯〜亜熱帯)、ヒトスジシマカ(熱帯〜暖温帯)、リバーズシマカ(亜熱帯〜暖温帯)、ヤマダシマカ(亜熱帯〜冷温帯)、ミスジシマカ(冷温帯)である。(1)分布域が熱帯に限定される2種のヤブカも高湿度下で短期間の凍結に耐える。(2)ネッタイシマカの耐寒性は更に強く、少なくとも数日の凍結に耐える。耐乾燥性も強い。(3)ヒトスジシマカでは分布域が北の系統ほど耐寒性が高い。温帯系統は20日以上の凍結に耐える。ネッタイシマカに次いで耐乾燥性が高い。(4)リバーズシマカとヤマダシマカは亜熱帯系も温帯系もヒトスジシマカ温帯系と同程度に凍結に耐えるが、耐乾燥は低い。(5)ミスジシマカの耐寒性は顕著に高く、2ヶ月以上の凍結に耐える。しかし、耐乾燥は最も低い。(6)卵の耐寒性はヤブカの分布域を決定する重要な要因であるか、現実の分布域は気候条件が許す範囲より小さい場合がある。
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