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細胞性免疫増強による血液組織寄生原虫症防御の研究

研究課題

研究課題/領域番号 08670290
研究種目

基盤研究(C)

配分区分補助金
応募区分一般
研究分野 寄生虫学(含医用動物学)
研究機関東海大学

研究代表者

永倉 貢一  東海大学, 医学部, 講師 (80142454)

研究期間 (年度) 1996
研究課題ステータス 完了 (1996年度)
配分額 *注記
1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1996年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
キーワードTrypanosoma cruzi / Chagas disease / chemotherapy / Th1-Th2 balance / IL-12 / IFN-gamma
研究概要

Trypanosoma cruziの細胞浸入と細胞内増殖はこの原虫の生活史を完結させるためにも不可欠である.宿主がこの原虫に感染すると虫血症を特徴とする急性期がみられる.この時期では防御免疫(とくに細胞性免疫)が効果的に働くと思われているが,その実態は完全に理解されていない.そこで,本研究では人為的に細胞性免疫(Th1)を増強させることによって感染急性期でのこの原虫の排除を試みた.マウスの脾臓T細胞の存在下で腹腔浸潤細胞(PEC)にT.cruziを感染させた.時間とともに培地中にでてくる血液型原虫の数が多くなるが,インターロイキン12(IL-12)が添加されると顕著な殺原虫作用がしめされた.この殺原虫作用には一散化窒素(NO)の産生がともなっていた.同様な結果がIFNγ単独添加でもしめされた.一方,抗インターフェロンγ(IFNγ)抗体や一散化窒素合成酵素(iNOS)阻害剤であるMMLAの添加は,T細胞やIL-12が存在しているにもかかわらず,PECより放出される血液型原虫数が増加し,またNOも放出されなかった.この事実は,IL-12はまずT細胞(と恐らくNatural killer細胞)に作用してIFNγを遊離させ,そのIFNγがPEC細胞内のiNOSを活性化させて,PEC細胞内で増殖している細胞内型原虫を直接殺していることをしめしている.T.cruziのマウスへの感染は,液性免疫(Th2)に傾きやすいBALB/cマウスは感受性であり,一方,細胞性免疫(Th1)が優位なC57BI/6マウスでは抵抗性であった.もし,BALB/cマウスがTh2優位であるならば,IL-12処理によってTh1活性の誘導すなわちT.cruzi感染抵抗性を獲得しうる.そこで,感受性マウスBALB/cに感染時より連日4日間IL-12を投与すると,血中にでてくる血液型原虫数が著名に減少し,C57BI/6同様に生き延びた.これらのことは,IL-12はT.cruzi感染抵抗性を獲得するためのキイサイトカインであり,その投与によってマウスだけでなくヒトの病気をも治しうることをしめしている.本研究の成果は,論文にまとめられ現在投稿中である.この研究に付随した他の研究成果も投稿準備中である.また,成果の一部は国際保健医療学会(ワークショップ),日本免疫学会,日米セミナー寄生虫部会,日本寄生虫学会等で発表された.

報告書

(1件)
  • 1996 実績報告書

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公開日: 1996-04-01   更新日: 2016-04-21  

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