研究課題/領域番号 |
08670291
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
寄生虫学(含医用動物学)
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研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
金田 良雅 東海大学, 医学部, 教授 (60051471)
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研究分担者 |
尾羽澤 大 (尾羽沢 大) 東海大学, 医学部, 教授 (80055904)
橘 裕司 東海大学, 医学部, 助教授 (10147168)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1997年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
1996年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | Acanthamoeba / モノクローナル抗体 / アメーバ性角膜炎 / スロットブロット法 / 特異的診断 / 予防手段 / 角膜炎 / Slot-blotting法 / specific diagnosis / prevention / 診断法 |
研究概要 |
アカントアメーバ角膜炎は、難治性の眼感染症で、患者の大半がコンタクトレンズの装用者であることを特徴としている。本疾患の経過中、実質型の角膜ヘルペスに酷似する時期があるため、ステロイドが投与されて悪化し、予後に視力障害が残る場合が多いことから、早期診断・治療が重量とされる。そのため、より迅速で特異性の高い診断方法を確立することを目的としで本研究を行った。我が国で角膜炎患者より分離されたAcanthamoeba castellaniの培養虫体を抗原としてモノクローナル抗体の作製を行った。得られた抗体について間接蛍光抗体法及びウエスタンイムノブロッティング法を用いて比較検討したところ、反応性により2つのタイプに分けられた。一つのタイプはA.castellani病原株に特異的なモノクローナル抗体で、シスト及び栄養型の両方に反応し、これらの抗体によって認識される抗原の分子量は約17kDaであった。このうち1つの抗体は細胞表面にのみ反応するものであった。もう一方のタイプは、Pussard & Ponsらによる形態分類で、最も角膜炎を起こしやすいグループIIに属する虫体に反応した抗体である。これらの抗体は分子量約30〜150kDaの抗原を認識していることが確認された。このうち1つの抗体は、本邦にて角膜炎患者より分離された虫体に対しすべてに反応し、より確実で迅速な診断への応用が可能と思われた。次いで、この抗体とスロットブロット法によって採取された各種虫体との反応性について検討した。その結果、間接蛍光抗体法と同様の反応性が確認され、かつ虫体1個の検出も可能であり、その特異性・感度共に優れていることが判明した。また本法では、セルロース膜に検体を吸引・吸着させて反応させるため多量の検体の全量を一度に検査することが可能であり、検査に要する時間も短い。従って本法はコンタクトレンズ保存液中の病原性アカントアメーバの検出など、予防医学的応用にも適していると考えられた。
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