研究課題/領域番号 |
08670305
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
細菌学(含真菌学)
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
山本 耕一郎 大阪大学, 微生物病研究所, 助教授 (30158274)
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研究分担者 |
飯田 哲也 大阪大学, 微生物病研究所, 助手 (90221746)
本田 武司 大阪大学, 微生物病研究所, 教授 (60029808)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
1996年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
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キーワード | コレラ菌 / 溶血毒 / シャペロン / 腸管毒 / Hsp90 / コレラ毒素 / 遺伝子 / 蛋白質 |
研究概要 |
エルトール型コレラ菌が産生する細胞溶解毒素(エルトールcytolysin)は前前駆体(preprotoxin)として生合成され、その構成はプレ領域(シグナルペプチド),プロ領域、成熟毒素領域の3領域から構成されるが、プロ領域の働きに関しては不明である.プロ領域は分子シャペロンの一種であるHeat Shock Protein,Hsp90と高い相同性が存在することから、「プロ領域は分子内シャペロンである」という仮説をたて、プロ領域単独でのシャペロン活性を証明する実験を行ない以下の結果を得た。 1.成熟毒素は3M塩酸グアニジンで変性するともやは再構成はできないが、Pro領域をもつprotoxinは完全に再構成された。 2.溶血毒素遺伝子(hlyA)のプロ領域を欠失させたプロ領域ノックアウト・コレラ菌を作製したところ、この菌では溶血活性が著しく低く、溶血毒は菌体外に分泌できず、ペリプラズム中で分解を受けていた。 3.発現ベクターにプロ領域をクローン化し、プロ領域のみを産生させ、これをプロ領域ノックアウトコレラ菌に別分子として発現しさせたところ、溶血活性は著しく回復し、溶血毒が正常構成した。 4.成熟毒素と精製プロ領域を共存させ、塩酸グアニジンで変性させ、変生剤濃度を低下させたところ、活性は、プロ領域をもつ前駆体同様に回復した。 これらのことはプロ領域が分子構成機能を分子間作用としても証明され、プロ領域が溶血毒の分子内シャペロンとして働いていることを強く示唆し、以上の結果は研究論文として報告した。
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