研究課題/領域番号 |
08670306
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
細菌学(含真菌学)
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
杉本 央 大阪大学, 微生物病研究所, 助教授 (20142317)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1997年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1996年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | ウエルシュ菌 / ボツリヌス菌 / θ毒素 / ボツリノリジン / 血管内皮細胞 / 血管収縮性調節機構 / 成人呼吸促迫症候群 / 細菌毒素 / チオール活性化溶血素 |
研究概要 |
細菌性チオール活性化溶血素であるボツリノリジン(BL)およびウエルシュ菌θ毒素の肺循環におよぼす影響を、動物個体と大動脈の環状標本および血管内皮細胞の初代培養を用いて薬理学的に解析するとともに病理組織学的にも検討を加え、以下の結果を得た。 1.ラットに対する致死活性はボツリノリジン(BL)がθ毒素に比べて10倍程度高かった。またBL中毒動物では左心不全が、一方θ毒素中毒動物では右心不全が主症状であった。 2.摘出潅流心臓の冠循環系に対する影響はBLの方がθ毒素より強かった。 3.ラットの大動脈環状標本のフェニレフリン濃度依存性収縮はBLあるいはθ毒素処理によってほとんど影響されなかったが、アセチルコリンによる血管内皮細胞依存性弛緩がBLあるいはθ毒素処理によって著しく抑制された。 4.培養血管内皮細胞はθ毒素およびBLに対して著しく感受性で、毒素の最少致死濃度はVero細胞に比べて約1/30-50であった。 5.θ毒素の静注によって急性中毒死したラットの肺は著しい浮腫・欝血および部分的出血を呈していた。 以上の結果より、BLは主として心臓の冠循環系の、一方θ毒素は肺循環系における血管内皮細胞に作用して血管収縮調節機構を障害し血管透過性の著しい上昇をもたらすことが解った。これらの結果はクロストリジウム性ガス壊疽の重症例にみられる成人呼吸促迫症候群(ARDS)の病態形成にチオール活性化溶血素が深く関係していることを示唆している。
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