研究課題/領域番号 |
08670336
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
ウイルス学
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
藤井 雅寛 東京医科歯科大学, 医学部, 助教授 (30183099)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1996年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | HTLV / ウイルス / 成人T細胞白血病 / アポトーシス / Fas |
研究概要 |
1、HTLV-I感染細胞株におけるFas依存性アポトーシス抵抗性:リンパ球のトランスフォーメーションの1ステップとしてアポトーシスの異常が想定されている。そこで、HTLV-I感染細胞株についてFas依存性アポトーシスに対する感受性を検討した。HTLV-Iに感染した細胞株はFas抗体によって誘導されるアポトーシスに対して抵抗性を示した。アポトーシス抵抗性は2つのメカニズムによることが示唆された。1つはウイルス蛋白のTax,もう1つは細胞因子FAP-1(Fas-associated phosphatase)の発現であった。Fas依存性アポトーシスに感受性を示すT細胞株にTaxを発現させることによって、抵抗性が誘導され、Taxによるアポトーシス抑制作用が証明された。Taxは転写活性化因子であり、転写活性化能を失った変異体では抵抗性誘導活性が失われることから、Tax依存性に発現される細胞因子の関与が推定された。一方、FAP-1はFasに直接結合することさらにFas依存性のアポトーシスを抑制することがすでに知られている。FAP-1とTaxの発現(RNA)には相関が見られず、これらは独立して機能していた。 2、Fasリガンド発現誘導機構の解析:HTLV-I関連疾患の病巣において、Fasリガンドの発現量の亢進が報告されている。このメカニズムを解明するために、Fasリガンドのプロモーター領域を含むゲノムDNAを遺伝子クローニングし、その配列を決定した。Fasリガンドのプロモーター活性を測定するために、プロモーター領域をリポータープラスミド(ルシフェラーゼ発現ベクター)の上流に組み込んだ。このプラスミドをT細胞株に一過性に導入したところ、転写活性が検出された。このプラスミドを用いて、ウイルス感染による、Fasリガンドの発現誘導機構の解析を進めている。
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