研究課題/領域番号 |
08670339
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
ウイルス学
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
永田 恭介 東京工業大学, 生命理工学部, 助教授 (40180492)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1996年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | インフルエンザウイルス / 無細胞系 / ゲノム複製 / 遺伝子転写 / 宿主因子 / カラムクロマトグラフィー / RNAゲノム / HeLa細胞 |
研究概要 |
本研究の目的は、インフルエンザウイルス遺伝子の転写と複製の無細胞相補試験系を用いて、これらの過程に関する宿主因子を単離することにある。ついで、RNA合成開始から終結にいたる各素過程における宿主因子の効果を調べその機能を明らかにすることにある。 我々が開発した外部から加えたモデルミニ遺伝子RNA鋳型に依存した系の解体・再構成により、宿主細胞核抽出液中にはウイルスRNAポリメラーゼ活性を促進する活性の存在が明かとなった。宿主細胞核抽出液をフォスフォセルロースカラムクロマトグラフィーによって分離すると、促進活性は未吸着画分中に回収された。この画分に含まれている考えられる宿主因子をRAF(RNA polymerase Activating Factor)と命名し、Mono Qカラムでさらに分画を行った。吸着したRAF活性は高塩濃度溶液で溶出された。この精製段階のRAFはRNA合成の開始反応を促進することが示された。このRAF画分をフェニルスーパーロースカラムで分画すると吸着画分(RAF-1)と素通り画分(RAF-2)に活性が回収された。RAF-1画分を濃縮し、ゲルろ過カラムで分画すると、活性は分子量役350kDaに均一なピークとして回収された。一方、RAF-2画分を再度Mono Qカラムで分離し、その後ゲルろ過およびグリセロール密度勾配遠心法で分画すると、活性は分子量約50kDaの均一なピークとして回収された。RAF-1とRAF-2は各精製段階でのカラム上の挙動がことなるばかりではなく、促進機構にも違いが認められる。RAF-1が化学量論的に働くのに対して、RAF-2は触媒的に作用する。いずれにしても、RAFはその精製過程の挙動から酸性タンパク質であると考えられる。現在、RAF-1、RAF-2両者について活性分布に相関するペプチドの単離を行い、そのアミノ酸配列の決定を行っているところである。これら因子の作用メカニズム、機能構造、細胞特異性、生理機能などを明らかにすることが今後の課題である。
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