研究課題/領域番号 |
08670354
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
ウイルス学
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研究機関 | (財)東京都神経科学総合研究所 |
研究代表者 |
向川 純 (財)東京都神経科学総合研究所, 微生物免疫, 主事研究員 (80229921)
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研究分担者 |
保井 孝太郎 (財)東京都神経科学総合研究所, 微生物免疫, 参事研究員 (90073080)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
1998年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1997年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1996年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
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キーワード | フラビウイルス / 粒子形成 / 日本脳炎ウイルス / ウイルス粒子形成 / GFP / キメラRNA / 人工ウイルス |
研究概要 |
日本脳炎ウイルス(JEV)のエンベロープを構成する2種の糖蛋白質(prM,E)は、ER膜においてウイルスポリプロテインから宿主のシグナラーゼによる切断を受けて作成され、安定なヘテロダイマーを形成し細胞内を輸送され細胞外へ放出されることを我々は明らかにした。これらの糖蛋白質と宿主との相互作用について解析を行ったところ、prM、Eの細胞内輸送は比較的遅く、prMのC末端に存在するターン構造がprM、Eの細胞内輸送、特にERからgolgiへの輸送に重要な役割を示していて、prM、EかERに留まると次第に分解されることがわかった。またcalnexinとの安定な相互作用がprM、Eの細胞内輸送に重要な意義を持つことが示唆された。prM、Eからなるエンベロープ粒子が、細胞外へ放出されることを応用し、このエンベロープ粒子に外来遺伝子を組み込んだ人工ウイルス粒子の形成をめざして、以下の実験を行った。T7プロモーターの下流に日本脳炎ウイルスの5′NC(5′末端非構造領域)、構造タンパク質のC、prM、E、レポーター遺伝子としてGFP(発光クラゲ由来のgreen fluorescence protein)、さらに日本脳炎ウイルスの非構造タンパク質NS5、3′NC(3′末端非構造領域)をつないだキメラのDNAを構築し、T7RNA polymeraseを用いてin vitroでRNAを合成した。このRNAをCOS7細胞にlipofectin法で導入し、さらにヘルパーウイルスとして日本脳炎ウイルスを感染させたところ、細胞内でGFPの発現がみられ、細胞の上清中に抗日本脳炎ウイルス抗体で免疫沈降し、内部にGFPの遺伝子RNAを持つ粒子が検出された。このことは日本脳炎ウイルスのエンベロープを持ち、日本脳炎ウイルスとGFPとのキメラのRNA遺伝子を内部に持つ人工ウイルスか形成されたことを示唆している。
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