研究課題/領域番号 |
08670361
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
免疫学
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
宮武 昌一郎 千葉大学, 医学部, 講師 (30239420)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1996年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | T細胞クローン / プロテアゾームインヒビター / ZAP70 / レトロウイルスベクター / CD28 / CTLA4 |
研究概要 |
SDS及びTritonを含むRIPAバッファーを用いて調整した、TCRシグナルにより活性化したT細胞クローンの細胞抽出液の解析や、パルスチェイス法によっても、JAK3およびSTAT5の減少が見られ、これらの蛋白質の細胞内局在の変化ではなく、分解が亢進していることが、その減少の原因であることを示した。ライソゾームの機能を減弱させる塩化アンモニウム処理、システインプロテアーゼインヒビターE64、プロテアゾームインヒビターMG115、MG132およびラクタシスチンなどの処理によっては、TCR刺激によるJAK3およびSTAT5の減少を抑制することはできず、JAK3やSTAT5の分解におけるこれらのタンパク分解系の関与は今のところ認められない。 TCRシグナルによる増殖抑制が、ZAP70を介するか検討するため、レトロウイルスベクターにより、T細胞クローンに、ヒトCD2の細胞外領域にヒトZAP70を融合した遺伝子を導入し、さらにFACSを用いて、高発現している細胞群を分離した。この融合遺伝子は、T細胞白血病細胞株ジャーカットにおいては、発現させるだけで活性化シグナルを誘導するが、T細胞クローンでは、抗CD2抗体によるクロスリンクによっても活性化に影響しなかった。ジャーカット細胞とT細胞クローンにおいて異なる結果になった原因は不明である。 抗CD28抗体を用いたCD28を介するコスティミュレーションシグナルは、TCRシグナルによる増殖抑制に対して影響は認められなかった。我々の用いたT細胞クローンは、CTLA4を発現しない。そこでTCRシグナルに対するCTLA4の影響を解析するために、レトロウイルスベクターを用いてCTLA4を導入した。興味深いことに、CTLA4は細胞内に局在し、TCRシグナルによる活性化に伴い細胞表面に発現した。抗原と抗原提示細胞による刺激の場合には、CTLA4の発現により活性化は抑制されたことからCTLA4が抑制シグナルを導入することが示唆された。TCRシグナルとCTLA4シグナルを分離して導入できるシステムの樹立し、TCRシグナルによる増殖抑制に対するCTLA4シグナルの影響を解析する予定である。
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