研究課題/領域番号 |
08670392
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
衛生学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
竹内 亨 大阪大学, 医学部, 講師 (00188161)
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研究分担者 |
竹下 達也 大阪大学, 医学部, 助教授 (20150310)
森本 兼曩 大阪大学, 医学部, 教授 (20143414)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1996年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | 活性酸素 / 発がん / DNA損傷 / 8ヒドロキシデオキシグアノシン / 嫌気性培養装置 |
研究概要 |
活性酸素による生体損傷の中でも、DNA損傷は発がん過程において、重要な役割を演じている。特に、8ヒドロキシデオキシグアノシン(80HdG)は変異を誘発し、発がんとの関連が特に強い、有用な酸化的DNA損傷の1指標と考えられている。しかし、ヒトあるいは動物組織中の80HdG量については、報告間でその値に大きな隔たりが認められ、また同一報告内でも大きな測定誤差が認められる。それ故、生体内及び細胞内の80HdGの絶対量についての正確のデータはない。各報告間での80HdG量の差異は、実際の生体細胞内における差異ではなく、組織あるいは細胞からのDNAの抽出あるいは抽出したDNAの処理過程で人工的に生成した80HdGによる可能性が極めて高い。すなわちこれまでの80HdG測定は酸素が多量に存在する空気中で試料処理を行っていたため、その80HdG値が生体内あるいは生細胞内の値を反映していない可能性が高い。本研究では、無酸素条件下でのDNA抽出及び処理法を確立し、この方法を用い、生体内あるいは生細胞内の酸化的DNA損傷量を正確に把握し、生体内における酸化的DNA損傷誘発機講並びに損傷発生に影響を及ぼす要因を解析した。 嫌気性培養装置内で試料処理し、80HdGを測定したところ、多くのヒト白血球サンプルで80HdG値が、デオキシグアノシン10万個当たり0.1-0.2個となり、従来法の1/5-1/10に低下した。このことから、従来法が如何に多くのア-ティファクトを観察していたかが判った。また繰り返し測定において、測定値の再現性が確認された。炎症誘発細胞では80HdGが増加し、その増加が抗酸化酵素や鉄キレータにより装飾されること、またヘリコバクター胃炎での80HdG増加が観察されこと等から本法が活性酸素による発がん研究を行う上で、有用な方法になると考えられた。
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