研究課題/領域番号 |
08670407
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
衛生学
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研究機関 | 川崎医科大学 |
研究代表者 |
植木 絢子 川崎医科大学, 医学部, 教授 (10069031)
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研究分担者 |
川上 泰彦 川崎医科大学, 医学部, 助手 (10234030)
友国 晶子 川崎医科大学, 医学部, 助手 (30278957)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1996年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | 作業関連物質 / 珪酸化合物 / 自己免疫疾患 |
研究概要 |
作業関連物質とくに珪酸化合物による免疫系への作用を解明すべく実験を行い、平成8年度には以下の如き成果を得た。 1.珪肺症患者試料料を用いた解析 (1)自己抗体の検出 臨床的に自己免疫疾患の症状を示さない珪肺症患者血清をスクリーニングして、呼吸不全を伴わない患者の49%に、呼吸不全を伴う患者の100%に抗核抗体を認めた。この中には抗核小体抗体、抗セントロメア抗体が含まれており、年令をマッチさせた対照群に比して有意に高率であった。 (2)可溶性Fas(soluble Fas,sFas)の測定 臨床的に自己免疫疾患の症状を示さない珪肺症患者血清について、ELISA法によりsFasを測定した結果、年令をマッチさせた対照群に比して患者群では有意な上昇が認められた。 2.In vitroでの解析 珪酸化合物がスーパー抗原作用を持つことを先に報告しているので、in vitroで作用させた際に、他のスーパー抗原におけると同様、活性化されたリンパのapoptosisが誘導させるか否かについて、TUNEL法を用いて検討した。chrysotileをもちいてin vitroでヒトの末梢リンパ球を刺激すると4日目をピークとしてTUNEL陽性の細胞が出現し、chrysotileの刺激でactivation-induced cell deathが誘導させることを確認した。 以上、平成8年度に行った実験により、日本人珪肺症患者では、他人種で報告されているのと同様に、自己抗体の出現が高率にみられ、かつsFasの値が高いこと、叉、in vitroにて珪酸化合物の刺激により(急性の細胞毒性のない濃度で)、apoptosisが誘導されることが判明した。
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