研究課題/領域番号 |
08670472
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
公衆衛生学・健康科学
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研究機関 | 大阪府立公衆衛生研究所 |
研究代表者 |
中野 ユミ子 大阪府立公衆衛生研究所, 労働衛生部, 主任研究員 (40159067)
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研究分担者 |
織田 肇 大阪府立公衆衛生研究所, 労働衛生部, 労働衛生部長 (00132845)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1996年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | リスクファクター / ライフスタイル / ストレス / PHA反応 / インターフェロンν / インターロイキン4 / Th1 / Th2 |
研究概要 |
本研究では個人および集団の健康管理に求められている総合的健康度評価法の開発を情報収集法と生理指標の両面から目指し、中高年勤労者(自営業、農業、自治体職員、テレビ局職員)を対象に聞き取り調査と測定を行った。聞き取り調査でライフスタイル、ストレス、ライフイベント、健康状態に関する情報を収集し、健康を損なう可能性のある因子をもっていればそれら合計し、個人のリスクファクター指数として健康状態を総合的に評価する一方、血中のリンパ球を分離し、Tリンパ球のPHA反応、インターフェロンν(IFN-ν;Th1型)、インターロイキン-4(IL-4;Th2型)の産生能を測定した。その結果、各集団のリスクファクター指数の平均値は、PHA反応平均値と逆相関関係にあり、IL-4産生量の平均値と相関関係にあった。個人レベルではPHA反応値はリスクファクター指数、ストス、病気と強い逆相関関係にあり、IL-4産生量の多い人は、顕著にリスクファクター指数、ストレス、喫煙量が大きいことが判明した。また、PHA反応とIFN-ν産生量との間には有意な相関関係があることが判明した。一方IL-4産生量は、PHA反応が中等度の人に高い産生がみられた。これらの結果は、PHA反応および、IL-4産生量の測定が個人および集団の健康度測定に有用な指標となることを示している。さらに、健康度の低下にともなって、Th2型のサイトカイン産生パターンへシフトする可能性が示された。また、PHA反応値の低かった人に対し、ライフスタイルの改善やストレスの軽減の指導を行ったところ、一年後にはライフスタイルの改善、ストレスの積極的な解消の姿勢がみられ、PHA反応の顕著な上昇がみられた。以上の結果はリンパ球の増殖性とサイトカイン産生能を指標とした測定と聞き取り調査による健康度測定のシステムは個人および集団の健康増進に有用であることを示している。
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