研究課題/領域番号 |
08670520
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
内科学一般
|
研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
安川 正貴 愛媛大学, 医学部, 助教授 (60127917)
|
研究期間 (年度) |
1996
|
研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
|
配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1996年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
|
キーワード | エイズ / ヒトヘルペスウイルス6型 / ヒトヘルペスウイルス7型 / ヒトヘルペスウイルス8型 / CD4 / リンパ球 |
研究概要 |
HIV-1感染者のエイズ発症機構におけるヒトヘルペスウイルス6型(HHV-6)、HHV-7、およびKSHV/HHV-8の関与について検討し、以下の結果を得た。 1)HHV-6感染により、CD4陽性T細胞はアポトーシスを生じ、その程度はTNF-αによって増強する。HHV-6感染細胞のアポトーシス誘導には、Fasが関与している。HHV-6感染細胞は、HIV-1gp120添加によってアポトーシスの程度が増強する。これらの結果は、HHV-6がエイズ発症の重要な補助因子であることを示している。 2)アデノウイルスベクターを用いたCD4遺伝子導入細胞を用いてHHV-7の感染レセプターはCD4分子であり、HHV-7とHIV-1はCD4分子上で感染競合することが明らかとなった。この結果は、HHV-7はエイズ発症の抑制因子である可能性を示しており、HHV-7由来ペプチドによるエイズ治療薬開発の可能性を示唆するものである。 3)エイズ患者に合併したカポジ肉腫組織よりKSHV/HHV-8遺伝子が検出された。さらに、一部の悪性リンパ腫や皮膚腫瘍からも検出され、この新しいウイルスと種々の疾患との関連が強く示唆された。今後KSHV/HHV-8の増殖機構の解明および増殖阻止が可能になることによってHIV-1感染者に合併する悪性腫瘍の発症を抑制できる可能性が考えられる。 以上の結果は、HHV-6、HHV-7およびKSHV/HHV-8はエイズ発症機構に、促進的あるいは抑制的に深く関与していることを示しており、これらのウイルスの活性化を制御することによってエイズ発症を抑制できる可能性を示唆している。
|