研究課題/領域番号 |
08670567
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
消化器内科学
|
研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
市田 隆文 新潟大学, 医学部附属病院, 講師 (00126509)
|
研究分担者 |
松田 康伸 新潟大学, 医学部附属病院, 医員
杉村 一仁 新潟大学, 医学部附属病院, 助手 (80270940)
|
研究期間 (年度) |
1996
|
研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
|
配分額 *注記 |
1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
1996年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
|
キーワード | 原発性胆汁性肝硬変 / 原発性胆汁性肝硬変の再発 / 抗糸粒体抗体 / 生体肝移植 / 肝移植 / HLA |
研究概要 |
今回の研究に基ずく全国調査ではわが国の成人肝移植レシピエントは83例で54例が海外での脳死肝移植、28例がわが国における生体肝移植で1例が心臓死ドナー肝移植であることが判明した。その中の原発性胆汁性肝硬変症例は脳死肝移植例が10例、生体肝移植例が11例であった。この症例を対象に原発性胆汁性肝硬変の肝移植後の再発機序に関する研究を試みた。以下に今回の研究で明らかになったことを列挙する。 原発性胆汁性肝硬変症例の肝移植成績として生体肝移植11例は最長3年3ヶ月の観察期間で生存率100%であり、脳死肝移植症例11例中9例が生存し最長8年6ヶ月である(生存率81%)ことが判明した。 原発性胆汁性肝硬変の原疾患の再発に関する検索では脳死肝移植症例と生体肝移植症例の肝移植後の血中アルカリフォスファターゼ値の再上昇はそれぞれ7例中1例と9例中5例に、抗糸粒体抗体の再陽性化は8例中2例と10例中7例に、IgM値の再上昇は7例中1例と9例中6例にそれぞれ認められた。 さらに組織学的観察では胆管病変を認めた脳死肝移植例では5例中、1例も認めていないが生体肝移植例では6例中2例に観察された。この原発性胆汁性肝硬変の再発に関してはすでに国際的な論争があるが、本研究では症例数には限りがあるが脳死肝移植に比例して生体肝移植例の方が血清学的マーカーの肝移植後の推移ならびに組織学的検索から再発の可能性が示唆された。しかしながら、術後の肝生検での胆管病変に関して慢性拒絶反応と原発性胆汁性肝硬変との組織学的鑑別が困難であるため、未だ明確な組織学的確診が得られないことも事実である。 この要因を探るためにHLAのmatchingとHLADNAタイピングを検索中であるが、少なくとも生体肝移植例では親子間のドナー、レシピエントの関連よりHLAクラスIIのmatchingが何らかの要因になっている可能性が考えられた。 今後、レシピエントリンパ球を用いたHLADNAタイピングの検索が必要と考えている。
|