研究課題/領域番号 |
08670582
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
消化器内科学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
金山 周次 大阪大学, 医学部, 助手 (40185913)
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研究分担者 |
清原 達也 大阪大学, 医学部・附属病院, 医員
南 武志 大阪大学, 医学部・附属病院, 医員
東本 好文 大阪大学, 医学部, 助手 (60260634)
篠村 恭久 大阪大学, 医学部, 講師 (90162619)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1996年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | 胃癌 / 胃炎 / ヘリコバクター・ピロリ / 変異原性物質 / Amesテスト / 胃酸 / hepatocyte growth factor / interleukin-1β |
研究概要 |
Helicobacter pylori(H.pylori)胃炎における胃癌発症メカニズム解明のため以下の検討を行った。 1.胃体部の皺襞腫大と胃癌のリスク H.pylori感染者において皺襞の腫大が胃癌の危険因子となっているか、胃体部の皺襞幅と胃癌に関する症例対照研究を行った。検診を受診し早期胃癌と診断された70名と、性と年齢をマッチさせた胃癌と診断されなかったH.pylori陽性対照群140名を対象とし胃二重造影X線フィルムより皺襞の幅をmmの単位で測定した。胃癌のオッズ比は4mm以下を1とすると皺襞幅5mmでは4.1、6mmでは10.2、7mm以上では31.2と皺襞幅と胃癌の間に有意な関連が観察された。 2.H.pylori感染胃粘膜でのサイトカイン、増殖因子の相互作用 腫大皺襞性胃炎症例では皺襞非腫大性のH.pylori胃炎に比し、著名な粘膜増殖亢進、酸分泌の抑制とともにinterleukin-1β及びhepatocyte growth factor(HGF)のmRNA量増加及び分泌亢進が観察された。免疫染色ではHGFの局在は主に浸潤多核白血球、単核球にみられ、HGFの分泌はinterleukin-1受容体拮抗剤により抑制がみられた。腫大皺襞性胃炎症例で見られるこれらの変化はH.pyloriの除菌によりほぼ正常化した。 3.H.pylori胃炎における胃液中変異原性物質 胃管を用いて胃内に分泌されてくる胃液を採取し、Salmonella Typhimurium TA98,TA100を用いるAmes変法で測定した。皺襞腫大を伴うH.pylori胃炎患者では皺襞腫大のないH.pylori胃炎患者及びH.pylori陰性者に比し変異原性物質の増加が見られた。 結論:胃体部の皺襞腫大を伴うH.pylori胃炎は著明な変異原性物質の産生増加、サイトカイン、増殖因子の過剰分泌がみられる病態であり、胃癌発症の頻度が高いと考えられる。
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