研究課題/領域番号 |
08670584
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
消化器内科学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
東本 好文 大阪大学, 医学部, 助手 (60260634)
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研究分担者 |
村山 洋子 大阪大学, 医学部・附属病院, 医員
近藤 真也 大阪大学, 医学部・附属病院, 医員
南 武志 大阪大学, 医学部・附属病院, 医員
金山 周次 大阪大学, 医学部, 助手 (40185913)
篠村 恭久 大阪大学, 医学部, 講師 (90162619)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
1996年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
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キーワード | HB-EGF / 遺伝子発現 / 粘膜修復 / 胃癌 / 大腸癌 / トランスジェニックマウス |
研究概要 |
消化管粘膜の再生修復および消化器癌の増殖におけるHeparin-binding EGF-like growth factor(HB-EGF)の役割について検討した。 1)胃粘膜障害修復におけるHB-EGFの関与 (方法)24時間絶食ラットの胃内へ0.6N塩酸1mlを投与して胃粘膜障害を作成し、経時的に胃粘膜を採取しAGPC法にてtotal RNAを抽出しEGF family増殖因子およびEGF receptorの遺伝子発現をRNase pretection assay法を用いて検討した。(結果)HB-EGF,AmphiregulinのmRNA発現は塩酸投与1時間後より増加し6時間後にはそれぞれ60倍、9倍に増加した。一方、TGF-α mRANの発現は6時間後でせいぜい2倍にしか増加せず、EGF receptor mRNAの発現には変化は認められなかった。 2)胃癌および大腸癌におけるHB-EGFの発現 (方法)手術時および内視鏡検査時に得られた胃癌、大腸癌組織とそれぞれの非癌部組織をもとにして、免疫組織化学法、in situ hybridization法、およびNorthern blot analysisによりHB-EGFの発現を比較検討した。(結果)胃癌では管腔形成を伴う高分化型腺癌の方が管腔形成を伴わない低分化型腺癌よりHB-EGFの発現が高い傾向にあり、大腸癌においても正常大腸粘膜と比べてHB-EGFの強い発現を認めた。 結論:HB-EGFは消化管粘膜の再生修復のみならず、消火器癌の増殖にも関与していることが示唆された。なお、HB-EGFの消化管における役割をより明確にするため、トランスジェニックマウスを用いた研究は現在進行中である。即ち、マウスH^+/K^+-ATPase β subunit遺伝子のエンハンサープロモーターの下流にヒトHB-EGF cDNAおよびポリAシグナルを含むヒト成長ホルモン遺伝子の3′非翻訳領域をつなぎ、これをプラスミドpBluescript SKのmulticloning siteに組み込んだHB-EGF発現ベクターが得られており、マウスの受精卵に遺伝子導入出来る段階まで進んでいる。
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