研究課題/領域番号 |
08670586
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
消化器内科学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
篠村 恭久 大阪大学, 医学部, 講師 (90162619)
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研究分担者 |
近藤 真也 大阪大学, 医学部・附属病院, 医員
宮崎 義司 大阪大学, 医学部・附属病院, 医員
東本 好文 大阪大学, 医学部, 助手 (60260634)
金山 周次 大阪大学, 医学部, 助手 (40185913)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1996年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | ヘリコバクター・ピロリ / 萎縮性胃炎 / インターロイキン-1 / 肝細胞増殖因子 / サイトカイン / 胃癌 / 過形成 / 酸分泌 |
研究概要 |
慢性胃炎、特に慢性萎縮性胃炎は胃癌の発生に深く関与することが知られている。慢性萎縮性胃炎において固有腺の萎縮および腺窩上皮の過形成、腸上皮化性などの胃粘膜細胞の増殖・分化の異常がみられ、胃粘膜の炎症により産生されるサイトカインが胃粘膜の増殖、分化の異常に関与する可能性が考えられるが、炎症性サイトカインの胃粘膜の増殖・分化に及ぼす作用はほとんど検討されていない。私共は炎症性サイトカインが慢性胃炎における胃粘膜の増殖・分化の異常に関与するかどうかを明らかにするため、炎症胃粘膜における炎症性サイトカインと増殖因子の産正および炎症性サイトカインの胃粘膜の増殖・分化に及ぼす影響を検討した。胃体部の皺襞腫大を示す胃炎(enlarged fold gastritis)のほとんどはHelicobacter pylori感染によるものであり、腺窩上皮の過形成および増殖期細胞の増加、酸分泌の低下を認め、胃癌の合併が多い。私共はこの胃炎において炎症性サイトカインであるinterleukin-1β(IL-1β)および胃粘膜細胞の増殖因子であるhepatocyte growth factor(HGF)の産生が胃体部粘膜で亢進しており、胃粘膜のHGF産生はIL-1産生と強く相関し、IL-1受容体拮抗剤の投与により胃粘膜のHGF産生が抑制されること、腺窩上皮の過形成がHGF産生量と相関することを明らかにした。また、ラットにIL-1βを投により腺窩上皮の過形成と胃底腺細胞の減少、酸分泌の減少がおこることが明らかにした。これらの結果は、慢性胃炎において炎症性サイトカインの過剰産生が胃粘膜における増殖因子の産生を刺激し、胃粘膜の増殖、分化に影響することを示しており、炎症性サトカインが胃底腺萎縮の原因に関与することを示唆する。
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