研究課題/領域番号 |
08670592
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
消化器内科学
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
辻 孝夫 岡山大学, 医学部, 教授 (80033306)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
1996年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | C型慢性肝炎 / インターフェロン療法 / 補体レセプター |
研究概要 |
C型慢性肝炎において、補体レセプターCR1(CD35)が免疫複合体の処理に重要であり、可溶性CR1(sCR1)が血清中に上昇していることを我々は示してきた。本研究では、インターフェロン(IFN)治療における、治療反応性および予後の指標としてのsCR1の有用性について検討した。 当科に入院しIFN治療を施行した、C型慢性肝炎15例(いずれも初回投与例であり、投与終了後6カ月以上経過観察して、s-ALTの持続正常化およびHCV-RNAの持続陰性化を認めた有効群:7例、その他の無効群:8例)を対象とした。sCR1はELISA法にて、HCV-RNAの検出には、5'-non coding regionを標的としたnested PCR法を用いた。 IFN治療例15例についてIFN投与前および投与終了時の血清について検討した。IFN投与前後のsCR1を比較すると、投与後においてsCR1の有意な低下が認められた(p<0.02)。投与前および投与終了時のsCR1ついては、有効群と無効群の間に有意な差を認めなかった。sCR1の低下率について有効群と無効群で比較すると、有効群では無効群に比べて低下率が有意に大きかった(p<0.05)。 以上の結果から、C型慢性肝炎のIFN治療終了時点におけるその後の肝障害の再燃の有無の推測に、sCR1が有用である可能性が示された。すなわち、INF治療により、HCV-RNAの陰性化およびs-ALTの正常化した時点では、その後の予後を推測する指標が現在のところなく、今後、IFN治療の継続の必要性の有無の判定など、実際の臨床の場での有用性が高いと考える。
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