研究課題/領域番号 |
08670622
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
消化器内科学
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
北村 康雄 (北村 庸雄) 順天堂大学, 医学部, 講師 (20231285)
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研究分担者 |
安達 博保 順天堂大学, 医学部, 助手 (00245705)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
1997年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1996年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | 肝細胞増殖 / 癌 / シグナルトランスダクション / 肝再生 / 細胞内カルシウムイオン |
研究概要 |
本研究の目的は、細胞内シグナルトランスダクションとしての細胞内カルシウムイオン([Ca^<2+>]_i)動態が肝細胞の増殖・分化にどのように関わっているかを生理的肝細胞増殖とがん細胞増殖との関連において明らかにすることにある。成長過程における生理的肝細胞増殖能はラットの成長にともない減少し、それにともないphenylephrine刺激による[Ca^<2+>]_i oscillationsの出現率も低下し、8週齢ラット肝細胞では一峰性の[Ca^<2+>]_iの上昇が認められた。1週齢ラット肝細胞でみられた[Ca^<2+>]_i oscillationsはphenylephrine濃度依存性の周波数増加がみられることより細胞内シグナル伝達への寄与が示唆された。また[Ca^<2+>]_i oscillationsの位相は隣接細胞間で一致していなかったのに対し、8週齢ラット肝細胞でみられた一峰性の[Ca^<2+>]_i上昇では一致していた。一方、温度依存性に増殖・分化が誘導される肝がん由来のHepG2 SV40^<ts> T hepatocyteをphenylephrineで刺激した後に[Ca^<2+>]_iを観察したところ、39℃で培養した非増殖肝細胞では[Ca^<2+>]_iの持続的な上昇を認めたが、33℃で培養した増殖肝細胞においては[Ca^<2+>]_iの一過性の上昇を認めるのみであった。また隣接肝細胞間での[Ca^<2+>]_i反応の位相は、39℃では同期していたのに対し33℃では一致しておらず、phenylephrine濃度にかかわらず[Ca^<2+>]_i oscillationsは認められなかった。以上の結果より、生理的肝細胞増殖とがん細胞増殖では[Ca^<2+>]_i動態が異なっていることが明らかとなり、増殖機構の違いによる細胞内シグナルトランスダクションの多様性が示唆された。
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