研究課題/領域番号 |
08670625
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
消化器内科学
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研究機関 | 帝京大学 |
研究代表者 |
滝川 一 帝京大学, 医学部, 助教授 (70197226)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1996年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | 胆汁うっ滞 / エストラジオール / 胆汁排泄 / 胆汁酸 / 有機陰イオン / 有機カチオン / P糖蛋白 |
研究概要 |
エチニルエストラジオール(EE)による胆汁うっ滞ラットでは、トレーサー量のタウロコール酸の胆汁中排泄はそれほど障害されず最大排泄量のみが著明に低下しており、毛細胆管膜の胆汁酸キャリアーの親和性の変化ではなく、数が減少したものと考えられる。また、グルタチオンの胆汁中濃度の低下から、EEによる胆汁うっ滞は同物質の排泄障害に基づく胆汁酸非依存性胆汁の減少によることが明らかになった。有機陰イオンの性格を有するリトコール酸グルクロナイド、BSP、leukotriene C_4、プラバスタチンの胆汁中排泄は、EEによる胆汁うっ滞でいづれも著明に障害された。この結果は、最近すべてのアミノ酸配列が明らかになったcMOATをはじめとする毛細胆管膜の有機陰イオンの排泄キャリアーが胆汁うっ滞によりかなりの障害を受けていることを示唆する。P糖蛋白により輸送されるビンブラスチンの胆汁中排泄は、胆汁酸や有機アニオンとは異なり軽度増加しており、胆管結紮およびα-naphthylisothiocyanateによるラット胆汁うっ滞モデルでのP糖蛋白およびそれをcodeするMDR1遺伝子の発現の増加の報告と同様、EEによる胆汁うっ滞でもP糖蛋白の発現が増加すると考えられる。エリスロマイシンはビンブラスチンと同じ有機カチオンであるが、後者とは異なり胆汁中の排泄は遅延しており、P糖蛋白以外のEEにより軽度阻害される有機カチオンの排泄経路の存在が予想された。以上、EEによる胆汁うっ滞を毛細胆管膜における排泄障害という点から検討したところ、その胆汁うっ滞機序は胆汁酸キャリアー数の減少と有機アニオンの排泄障害が主と考えられ、P糖蛋白については逆にその発現増加を示唆された。
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