研究課題/領域番号 |
08670661
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
呼吸器内科学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
長井 苑子 京都大学, 医学研究科, 助教授 (30217955)
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研究分担者 |
佐竹 範夫 京都大学, 医学研究科, 助手 (50252515)
三尾 直士 京都大学, 医学研究科, 助手 (90243097)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1998年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1997年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1996年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | サルコイドーシス / 病勢の指標 / 予後の指標 / BALFマクロファージ / アンギオテンシンII受容体 / IL-1レセプターアンタゴニスト / IL-1β / 活性型ビタミンD / イオン化カルシウム / 慢性化 / 難治化 / ACE / マクロファーシ / Tリンパ球 / 慢性化の指標 / 性差 / 骨密度 / マクロファージ |
研究概要 |
サルコイドーシスの臨床経過は一般に長期におよぶ。健康診断で胸部異常陰影を指摘されてから多くは自然寛解し、一部の症例で肺野病変の線維化、感染症の合併、肺高血圧の合併により症状出現から10年以上の期間を経て予後不良となる。我々の実際に経験した症例900例以上の中では、無症状発見例の6%、症状発見例の12%に慢性化、難治化がみられる。初診時において、このように大きく異なる予後を予測し、かつ管理治療できるかどうかの検討は臨床的に重要な問題である。 病態の本態である未知の抗原に対する免疫反応の亢進と、類上皮細胞肉芽腫病変の形成に関連した因子のどれが病勢および予後の指標として臨床経過に関わっているのかについての理解は、適切な管理治療を行うにあたって重要である。さらに、病勢の指標が予後の指標であるかどうか、臓器による予後の差異があるかどうかにも重点をおいて病態検討をおこなうことが重要である。 我々はこれらの観点からいくつかの研究を行い以下の結果を得た。1)類上皮細胞肉芽腫より異所性に産生遊離されている活性型ビタミンDとイオン化カルシウムの血中での値は、良い病勢の指標であり、肺病変と肺外病変の全身の肉芽腫の量を反映していることが明らかにされた。これらの指標は骨密度ともよく相関し、全身性疾患としてのサルコイドーシスの評価に有用であることも示すことができた。同じく、類上皮細胞肉芽腫より異所性に産生遊離されているACEの血中での活性ともよく相関し、これらの生理活性物質が病態形成とその持続に深く関与している可能性が示唆された。2)angiotensin II receptor遺伝子がサルコイドーシス症例のBAL液マクロファージにおいて活性化されており、病変形成部位においてACEにより酵素的に産生されるangioten IIがこの特異的なreceptorに結合して自己増幅的に炎症過程を維持させ、免疫反応を亢進させる可能性を示唆しえた。3)サルコイドーシス症例のBAL液マクロファージより産生遊離されるIL-1receptor antagonist/IL-1betaの比が病勢の指標であり、さらには病勢の収束か慢性化を予測するよい指標でもある可能性を見いだした。
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