研究概要 |
病変部CD4^+T細胞が認識するサルコイドーシス関連抗原の同定のシステム樹立 病変部より分離したCD4^+T細胞は自己の肺胞マクロファージと反応して大量のIFN-γ,TNF-α,IL-2等のサイトカインを産生する。しかしながら、この病変部より分離したCD4^+T細胞は酸及びEDTAで処理した自己の肺胞マクロファージとは反応しないことを申請者らはすでに確認している。そのうえ、患者病変部の肺胞マクロファージはB7(CD80),B70(CD86)をHLA-DR抗原とともに強く発現している。これらの成績よりサルコイドーシス症において肺胞マクロファージが何らかの抗原(サルコイドーシス関連抗原)をCD4^+T細胞に提示して病変部形成に関与している可能性が非常に高い。 それ故、我々は肺サルコイドーシス患者のBALFよりCD4^+T細胞及び肺胞マクロファージを新鮮分離し、同時にCD4^+T細胞クローンを樹立した。現在これらのCD4^+T細胞(及びCD4_+T細胞クローン)と自己またはalloの肺胞マクロファーとの反応を検討している最中である。肺胞マクロファージはその大量確保が困難なため自己及びalloのEBV-形質転換B細胞株を抗原提示細胞として用い、抗原は1)新鮮分離した患者肺胞マクロファージを酸及びEDTA処理した上清(HLA-DR結合ペプチドを含む)2)(濃縮した)肺胞洗浄液及び3)1)2)のHPLCの分画を用いている。アッセイ系としてはT細胞クローン、抗原、抗原提示細胞の三者の混合培養上清中のサイトカイン及びT細胞のDNA合成を測定した。現在までのところこれら病変部CD4^+T細胞が特定の抗原を認識している可能性を示唆するデータは未だ得られていない。
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