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運動ニューロン病におけるキネシン異常の解析

研究課題

研究課題/領域番号 08670691
研究種目

基盤研究(C)

配分区分補助金
応募区分一般
研究分野 神経内科学
研究機関秋田大学

研究代表者

豊島 至  秋田大学, 医学部, 講師 (80108951)

研究期間 (年度) 1996 – 1997
研究課題ステータス 完了 (1997年度)
配分額 *注記
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
1997年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1996年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
キーワード運動ニューロン病 / キネシン / 細胞質ダイニン / 軸索内輸送 / IDPN / レーザー / 色素ラベル / 微分干渉顕微鏡 / 運動ニューロン疾患 / モノクローナル抗体 / キネクチン
研究概要

運動ニューロン病では,近位軸索内に生じるスフェロイドが軸索輸送障害を示す所見として注目されてきた。報告者は速い軸索内輸送をになうモータータンパクであるキネシンと細胞質ダイニンに対するモノクローナル抗体をそれぞれ,複数個用いて,運動ニューロン疾患脊髄を染色した。これにより,先に報告したキネシンのスフェロイド内蓄積が確認された。それに対して細胞質ダイニンは多くの場合スフェロイド内には見られず,このことは,速い軸索内輸送障害の全般的な障害よると単純にはいえないことを示している。報告者はキネシン受容体としてキネクチンを発見し抗体を作成したが,ニワトリ神経系内の分布について検討した.培養神経細胞と同様に軸索内にはなく,軸索内のキネシン受容体はキネクチン以外であることがわかった.
軸索内に蓄積するニューロフィラメントとキネシンの関係を検討するため,イミノジプロピオニトリル(IDPN)中毒を作成した。これまでは,ラットで作成されることが多かったが,抗体の交差性の関係からニワトリで作成した。ラットの1/(10)量を2回投与することで安定して作成できることがわかった。その結果,キネシンはニューロフィラメントタンパクとともに軸索腫大内に蓄積することがわかった。IDPN中毒では運動ニューロン疾患で必ず見られる筋萎縮を生じないので,このことは,キネシン蓄積が運動ニューロン疾患を直接に引き起こしていないことを示唆している。
これまで設置したノアルスキー型微分干渉顕微鏡により軸索内輸送障害について検討した。はじめに,軸索内輸送小胞の速度分布について検討した。その結果,順行性も逆行性も毎秒5mnm以上の速い輸送が観察された。軸検索輸送障害は,2,5ヘキサンジオンを用いて行った。1%程度で軸索の部分的な阻害がえられ,この時,軸索の数珠上の変化が観察された。軸索内では,この時,小胞輸送は部分的に残存していたが,このことが軸索の腫大変化に重大な役割を示すものと考えられた。申請したレーザー照射による色素ラベルタンパク分子の不活化が可能になった。本法は対物レンズを100倍にして行うため,以前よりも小さな焦点レーザー光を集めることが可能になった。しかし,ラベル抗体をニューロン内に注入すると非特異的に細胞障害が起こるため,新たな抗体作成が必要であることがわかった。今後はさらに,非特異的な軸索輸送障害を作成することも含めて,レーザー色素不活化法の可能性を探りたい。

報告書

(3件)
  • 1997 実績報告書   研究成果報告書概要
  • 1996 実績報告書
  • 研究成果

    (9件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (9件)

  • [文献書誌] Toyoshima, I..and Sheetz, M.P.: "Kinectin distribution in chicken nevous system." Neurosci Lett.211. 171-174 (1996)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      1997 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] I.Toyoshima et al.: "Kinesin accumulation and reduced cytoplasmic dynein spinal axonal swellings with human motor neuron disease" J Neurol Sci. (in press). (1998)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      1997 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] 豊島 至: "ニューロフィラメントの蛋白のトランスジェニックマウス 水野美邦,柳澤信夫,中野今治編,KEY WORD 1998-'99 神経変性疾患" 先端医学社,東京, 270-271 (1997)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      1997 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] Toyoshima and Sheetz, M.P.: "Kinesctin distribution in chicken nervous system" Neurosci Lett. 211. 171-174 (1996)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      1997 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] I.Toyoshima et al.: "Kinesin and cytoplasmic dynein in spinal spheroids with motor neuron disease" J Neurol Sci. (in press). (1998)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      1997 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] I.Toyoshima.: Transgenic mouse of neurofilament proteins In Key Word 1998-'99 Neurodegenerative disease.ed by Mizuno, Y.et al.Sentanigakusha, Tokyo, 270-271 (1997)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      1997 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] I.Toyoshima et al.: "Kinesin accumulation and reduced cytoplasmic dynein in spinal axonal swellings with human motor neuron disease" J Neurol Sci. (in press).

    • 関連する報告書
      1997 実績報告書
  • [文献書誌] Itaru Toyoshima et al: "Kinectin distribution in chicken neroons system" Neuroscience Letters. 211. 171-174 (1996)

    • 関連する報告書
      1996 実績報告書
  • [文献書誌] 豊島至(分担): "細胞内運動" 医学書院 標準分子医化学(藤田、澁谷、小島 編)(印刷中),

    • 関連する報告書
      1996 実績報告書

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公開日: 1996-04-01   更新日: 2016-04-21  

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