研究課題/領域番号 |
08670752
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
循環器内科学
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
小丸 達也 東北大学, 医学部, 助手 (30261530)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
1997年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
1996年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | 冠微小動脈 / 冠循環 / 微小循環 / 心筋虚血 / G蛋白 / 生体信号伝達 / 血管拡張 / 百日咳毒素 / 虚血 / 頻拍 / 筋原性張力 / 冠血流自己調節 / 代謝性因子 |
研究概要 |
摘出した冠微小動脈を拍動心に接触させることにより、両者を独立して制御しうる実験モデルを開発し、両者のinteractionを検討した。まず、摘出微小血管において血管内圧-血管径関係を求めた。ウサギ心臓を摘出し、直ちに冷却したPSSに浸し、動脈系冠微小血管を摘出した。先端を50-100μmに細めたポリエチレン管に血管の一端を挿入し、38℃に加温、酸素化した生理塩液に浸しつつ血管内圧を可変とした。ニトロプルシド存在下と非存在下での血管径の差を各内圧で検討すると内圧60-80cmH_2Oで最大であったので、以下の実験では摘出血管の内圧を60cmH_2Oに設定した。内因性の血管トーヌスを獲得した摘出微小血管(内径127μm〜296μm)を麻酔開胸したイヌ拍動心上(左冠動脈前下行枝領域)に静置し、浮動型対物レンズを備えた生体顕微鏡で摘出微小動脈を観察した。続いて拍動心の左前下行枝を閉塞させて、同領域に虚血正ぜしめ、血管径変化を観察した(n=9)。心筋虚血は直ちに拡張を開始し、虚血開始2分後には有意な拡張に達し(8±2%)、4分後に最大拡張を呈した。(12±3%)。以後次第に血管径は減少に転じ、虚血開始30分後にはbaselineの値に復した。(1±3%)。これらの実験中、摘出血管側の条件は一定しており、観察された血管変化は虚血心筋から発せられたなんらかのシグナルによると考えられた。虚血後期に、血管によっては強い収縮を示したものも観察されたことから虚血心筋は拡張と収縮の両者のシグナルを遊離している可能性がある。現在百日咳毒素により摘出血管を前処置する実験を進行中であるが、これまでのところ上記の血管拡張が抑制される傾向を認めている。今後アデノシンやカリウムチャネルの関与を検討して行く必要がある。
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