研究概要 |
細動脈血管平滑筋の臓器特異性を検討した。 【方法】ラット骨格筋、腸間膜細動脈(約170〜230mm、最大拡張時)を摘出し、内圧を制御。内径を顕微鏡システムで計測した。膜電位は40MW以上の先端抵抗のガラス電極を用いて測定した。内圧を40mmHgに固定した。Ca2+依存性Kチャネル阻害剤としてtetraethylanmonium(TEA,1mM),電位依存性Kチャネル阻害剤として4-aminopyridine(4-AP,0.1mM)を投与し内径及び膜電位を記録した。 【結果】骨格筋細動脈はnifedipine 1mMで有意に27+3%拡張したが、腸間膜細動脈では有意な拡張はなかった。すなわち前者はmyogenic toneを持ち、後者は持たないものと思われた。内径・膜電位の結果では、骨格筋細動脈の膜電位は腸間膜細動脈に比して有意な脱分極を示した(-35mV対-51mV, 40mmHg)。TEA,4-APは骨格筋細動脈で脱分極と収縮を起こしたが、腸間膜細動脈には影響しなかった。 【結論】骨格筋細動脈膜電位は腸間膜細動脈に比して有意な脱分極を示した。TEA及び4-AP感受性Kチャネルは骨格筋細動脈では膜電位決定に関与するが腸間膜細動脈では関与は弱く、Kチャネル群の分布・機能にも不均一性があると考えられた。
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