研究課題/領域番号 |
08670762
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
循環器内科学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
池ノ内 浩 東京大学, 医学部・附属病院, 助手 (10261968)
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研究分担者 |
高橋 利之 東京大学, 医学部・附属病院, 助手 (40236302)
松井 浩 東京大学, 医学部・附属病院, 助手 (30282669)
原田 和昌 東京大学, 医学部・附属病院, 医員
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1996年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | adrenomedullin / cardiac myocyte / indo-1 / calcium transient / contractility / inward calcium current / cAMP / cGMP |
研究概要 |
Adrenomedullinの心筋に対する直接作用。Adrenomedullinは心筋細胞で産生され、特に心不全患者では心室内の心筋細胞による産生が亢進していることが確かめられており、病態生理学的に何らかの役割をしている可能性が注目されていたが、その心筋細胞に対する生理的作用は解明されていない。われわれは、兎単離心室筋細胞を用いてadrenomedullinの心筋に対する直接作用を検討し、この心臓におけるautocrineないしparacrine hormoneが心筋細胞に対して容量依存性に陰性変力作用を呈することを見い出した。さらに、その機序について、細胞内カルシウム濃度の変化、カルシウムチャンネルによる内向き電流の測定、細胞内メッセンジャーであるcAMP,cGMP濃度を測定し、以下の結果を得た。1.adrenomdullinは容量依存性に細胞内カルシウム変動の振幅を減少させる。2.この作用はNO合成阻害薬であるL-NMMA、ないしguanylate cyclase inhibitorであるmethylenblueにより阻害される。3.内向きカルシウム電流はadrenomedullinにより減少し、この減少はL-NMMAの存在により抑制された。4.細胞内cAMP濃度はadrenomedullinにより変化せず、一方、cGMP濃度は容量依存性に増加した。以上より、adrenomedullinの陰性変力作用に関して以下の結論を得た。Adrenomedullinは容量依存性に心筋細胞内cNOSを活性化させ、NO産生を増大させる。NOによりguanylate cyclaseが活性化され細胞内cGMPが増大し、cGMPが何らかの機序により細胞内カルシウム振幅を減少させ、陰性変力作用を発現する。このカルシウム変動の振幅の減少には、少なくとも一部は、L-typeカルシウムチャンネルを通したカルシウム流入の減少が関与している。今後は、このhormoneの病態生理学的役割が注目され、現在検討中である。
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