研究課題/領域番号 |
08670766
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
循環器内科学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
世古 義規 東京大学, 医学部・附属病院, 助手 (30240708)
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研究分担者 |
高橋 直之 東京大学, 医学部・附属病院, 医員
戸辺 一之 東京大学, 医学部・附属病院, 助手 (30251242)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
1996年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
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キーワード | 心筋虚血再灌流障害 / 心筋細胞 / 血管内皮細胞 / 細胞内情報伝達 / VEGF |
研究概要 |
1.心筋虚血再灌流障害のin vitroのモデルとして、ラットの培養心筋細胞に低酸素負荷および低酸素負荷後再酸素化刺激を行ない、細胞内情報伝達系の活性化を解析した。低酸素刺激および低酸素負荷後再酸素化刺激によって、これまでにSrc familyのチロシン・キナーゼ→p21^<ras>、Raf-1キナーゼから→MAPキナーゼ→S6キナーゼ、PI3キナーゼ、さらに接着斑に関連するチロシン・キナーゼ(FAK、paxillin)などの一連のリン酸化カスケードが活性化されることを明かにした。今回、さらにRac1キナーゼの下流にあってストレス反応で重要な経路(p65^<PAK>)→p38MAPキナーゼやJak/STAT系が活性化されることを明らかにするとともに、低酸素負荷によってきわめて短時間のうちに心筋細胞からVEGFが放出され、それが心筋細胞上のVEGF receptorに作用することによってこれらの一連のシグナル・カスケードが活性化される、というオートクライン機構が存在することを明らかにした。また今回、低酸素負荷後再酸素化刺激(oxidative stress)によって活性化される一連のシグナル・カスケードも何らかの生理活性物質のオートクライン機構を介していることを明らかにした。現在、この生理活性物質の単離および解析を行っている。 2.1.のin vitroの解析で、虚血刺激によって心筋細胞からVEGFがきわめて短時間のうちに放出されることが明らかになったことから、ヒトで実際に心筋虚血時にVEGFが放出されるか否かを解析するため、早期に再灌流療法を行った急性心筋梗塞患者の血清中のVEGF濃度を測定した。急性心筋梗塞発症早期の血清中のVEGF濃度はコントロール群と比べて著明に上昇しており、それは早期の再灌流療法によって少なくとも20〜30分以内にコントロール群と同じ正常範囲にまで低下することが明らかになった。
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