研究課題/領域番号 |
08670771
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
循環器内科学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
神崎 恒一 東京大学, 医学部・附属病院, 助手 (80272540)
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研究分担者 |
江頭 正人 東京大学, 医学部・附属病院, 助手 (80282630)
大内 尉義 東京大学, 医学部・附属病院, 教授 (80168864)
秋下 雅弘 東京大学, 医学部・附属病院, 助手 (00261975)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1996年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | アクチビン / フォリスタチン / マクロファージの泡沫化 / スカベンジャー受容体 |
研究概要 |
動脈硬化の発症、進展に対するアクチビン、フォリスタチンの作用を検討し、以下のような知見を得た。 1.マクロファージ(Mφ)の泡沫化に及ぼすアクチビン、フォリスタチンの作用 (1)アクチビン-Aは^<125>I-Ac-LDLのTHP-1 Mφへの細胞内取り込み、分解を濃度依存的に抑制した。この作用はフォリスタチンの同時添加により消失した。フォリスタチンは^<125>I-Ac-LDLの細胞内取り込み、分解を濃度依存的に促進した。(2)アクチビン-Aは^<125>I-Ac-LDLの細胞への結合、細胞表面のスカベンジャー受容体(SR)の発現(ノーザンブロット解析)を抑制し、フォリスタチンは^<125>I-Ac-LDLの結合、SRの発現を増加させた。(3)細胞内コレステロールエステル(CE)量はアクチビンの添加により減少し、フォリスタチンの添加により増加した。(4)Oil Red O染色による細胞の泡沫化に対して、アクチビン-Aは抑制、フォリスタチンは促進した。 以上、アクチビン-AはSRの発現を抑制することで、変性LDLの細胞への結合、取り込み、分解を抑制し、その結果細胞のCEの蓄積、泡沫化を抑えると考えられる。一方、フォリスタチンはTHP-1 Mφの産生するアクチビン-Aの作用をブロックすることによって、細胞の泡沫化を促進すると考えられる。 2.血管平滑筋におけるアクチビンの発現 (1)培養ウサギ平滑筋細胞(RSMC)の培養上清中に、アクチビン-Aの生物活性が認められた。(2)RSMCにおいてアクチビン-A mRNAの発現が認められた。(3)ヒト冠動脈(剖検標本)において、アクチビン-Aは中膜及び新生内膜に発現しており、その分布は平滑筋、Mφの分布と一致していた。 以上、ヒト冠動脈硬化巣にアクチビン-Aが発現しており、中膜、新生内膜の平滑筋、およびMφがその由来と考えられる。
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