研究課題/領域番号 |
08670785
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
循環器内科学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
斎藤 能彦 京都大学, 医学研究科, 助手 (30250260)
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研究分担者 |
桝田 出 京都大学, 医学研究科, 助手 (10229370)
中尾 一和 京都大学, 医学研究科, 教授 (00172263)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
1996年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
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キーワード | Cardiotrophin-1 / 心室リモデリング / SHR / 心肥大 |
研究概要 |
Cardiotrophin-1(CT-1)は、近年、マウスembryonic bodyから発見された新しいサイトカインで、インターロイキン-6(IL-6)のスーパーファミリーである。CT-1は、gp130の系を活性化して、心筋細胞肥大を惹起することが報告されている。 本研究においては、CT-1の心室リモデリングにおける病態生理的意義を解明する為以下の研究を行った。 1)ラット及びヒトCT-1のcDNAをクローニング RT-PCR法にてラットCT-1cDNA断片を得、ラット心臓cDNAライブラリーより目的のクローンを得た。ラットCT-1cDNAをプローブにヒト肺cDNAライブラリーよりヒトCT-1cDNAをクローニングした。ラットCT-1はマウスと94%、ヒトCT-1はマウスと80%の相同性を有していた。 2)卒中易発症高血圧自然発症ラット(SHRSP/Izm)心室におけるCT-1遺伝子発現の検討 高血圧性心肥大モデルであるSHRSP/Izm心室でのCT-1遺伝子発現を検討した。対照のWKY/Izmと比べると、新生仔では、両者間で差は認められないが、心肥大の発現する前の週令でCT-1mRNA濃度は2倍に上昇し、その後、その濃度を維持していた。このことより、CT-1が成獣においても発現しており、高血圧に伴う心肥大の発現に関与していることが示唆された。 3)培養心筋細胞を用いたCT-1遺伝子発現及びCT-1の肥大効果の検討 ラット新生仔心筋細胞の培養系では、CT-1mRNAの発現は、心筋細胞、非心筋細胞の発育に認められ、培養系では、非心筋細胞の方が発現量は高かった。また、GST-fusionシステムでリコンビナントCT-1を作製し、心筋細胞へ添加すると、心筋細胞の肥大を惹起し、ANP、BNPの分泌を亢進した。 以上の研究から、CT-1が心筋細胞と非心筋細胞で生産されること、心筋細胞肥大・ANP/BNP分泌亢進作用を有すること、心肥大の発症、進展に関与している可能性が示唆された。
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