研究課題/領域番号 |
08670791
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
循環器内科学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
楽木 宏実 大阪大学, 医学部, 助手 (20252679)
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研究分担者 |
上田 真喜子 大阪市立大学, 医学部, 助教授 (10137193)
荻原 俊男 大阪大学, 医学部, 教授 (60107042)
桧垣 實男 (檜垣 實男) 大阪大学, 医学部, 助教授 (70189744)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
1997年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
1996年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | アンジオテンシン変換酵素 / アンジオテンシンII / キマ-ゼ / 虚血性心疾患 / 免疫組織化学 / マクロファージ / 遺伝子多型 |
研究概要 |
ヒトの動脈硬化、急性冠症候群における組織アンジオテンシンII(AII)産生系:動脈硬化進展に伴うAIIの発現分布と、その産生酵素として重要とされるアンジオテンシン変換酵素(ACE)、キマ-ゼおよびタイプ1 AII受容体(AT1)の発現分布を免疫組織学的に比較検討した。AT1に対する抗体は、ペプチド抗体を独自に作製して用いた。急性冠症候群と関連が深いとされるhypercellular lesionと粥腫性プラークでは、病変部の平滑筋細胞やマクロファージにAIIとACEの高度発現を認めた。臨床的に安定したプラークとされる線維硬化性プラークにおいては、内膜内のAIIとACE発現はほとんどみられなかった。一方、キマ-ゼは外膜および動脈硬化巣に浸潤した肥満細胞にのみ認められた。AT1受容体は、中膜以外にも破綻プラークの破裂箇所に隣接する線維キャップの収縮型平滑筋細胞に強く発現しており、AIIを介した局所の血管収縮がプラーク破綻のトリガーのひとつになり得ると考えられた。マクロファージにも弱いAT1発現が認められた。 マクロファージでのAII産生系:病理学的にプラーク進展や脆弱化に関連したマクロファージでのAII産生系の活性化の機序と生理的意義の解明のために単球(THP1)からマクロファージ(PMA刺激したTHP1)への形質変換の過程でのAII産生系の変化を検討した。ACE活性とレニン、AT1受容体、AT2受容体のmRNA発現は、いずれも形質転換によって有意に増加した。マクロファージでのAT1を介したAIIの作用として、PAI-1や活性酸素発現系への関与を示唆する結果を得ており、形質変換したマクロファージでのAII産生系が、オートクリン・パラクリンによりプラークの形成・破綻に関与していることが示唆された。
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