研究課題/領域番号 |
08670792
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
循環器内科学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
西田 昌司 (1997) 大阪大学, 医学部, 助手 (40283783)
星田 四郎 (1996) 大阪大学, 医学部, 助手 (80238732)
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研究分担者 |
堀 正二 大阪大学, 医学部, 教授 (20124779)
多田 道彦 大阪大学, 医学部, 教授 (90093434)
山下 宜繁 大阪大学, 医学部・附属病院, 医員
葛谷 恒彦 (葛屋 恒彦) 大阪大学, 医学部, 助教授 (80150340)
星田 四朗 大阪大学, 医学部, 助手 (80238732)
西田 昌司 大阪大学, 医学部, 助手 (40283783)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1997年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1996年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | 動脈硬化 / 再潅流障害 / 一酸化窒素 / アンジオテンシン / アンジオテンシン変換酵素阻害薬 / レニン-アンジオテンシン系 / ACE活性 / ACE阻害薬 |
研究概要 |
実験的心筋梗塞モデルの梗塞量を縮小する薬剤が必ずしも臨床症例においてその有効性を発揮することができない。その理由の一つは、臨床例における再潅流障害には、冠動脈硬化病変が基盤に存在することである。アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害薬は動脈硬化進展を抑制しうること、動物モデルでの心筋梗塞の壊死進展を抑止することがすでに報告されている。ACE阻害薬はキニナーゼの阻害をも行い、ブラジキニンの上昇、NO産生の亢進をもたらすことから、動脈硬化モデルにACE阻害薬を投与することにより冠動脈硬化を抑制しNO産生を保持すると、心筋梗塞の壊死進展抑制効果が期待できる。本研究においては、日本家兎を1%コレステロール食で10週間飼育することにより、高コレステロール血症モデルを作成した。高コレステロール負荷家兎においては、正常食ウサギに比し著明な心筋梗塞巣の拡大を認めた。高コレステロール食ウサギにおいては、虚血領域におけるミエロペルオキシダーゼ活性、ロイコトリエンB4産生が増大しており、冠微小循環における白血球活性化が心筋障害に関与していることが示唆される。高コレステロール負荷ウサギにおいては内皮依存性弛緩反応が減弱し、外因性のNO供与体を投与すると心筋梗塞巣の拡大が抑制されることより、血管内皮由来NO産生低下が白血球活性化をもたすことが考えられる。一方、高コレステロールウサギにおいては、血管壁ACE活性、血中アンジオテンシンIIレベルが上昇した。ACE阻害薬を投与すると、両者の低下とともに、動脈硬化巣の縮小を認めた。これらの結果は、動脈硬化病変を基盤に持つ虚血性心疾患において心血管組織におけるレニン-アンジオテンシン系の活性化がNO産生を抑制し、冠微小循環の白血球活性化を介した心筋梗塞巣の拡大をもたらすこと、ACE阻害薬がかかる病態の抑制に有用である可能性を示唆する。
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