研究課題/領域番号 |
08670807
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
循環器内科学
|
研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
大串 正道 熊本大, 医学部附属病院, 助手 (50274717)
|
研究分担者 |
平島 修 熊本大学, 保健管理センター, 助手 (90274729)
|
研究期間 (年度) |
1996 – 1997
|
研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
|
配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1997年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
1996年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
|
キーワード | 中性エンドペプチダーゼ-24.11 / 動脈硬化症 / 変性LDL / 急性心筋梗塞 |
研究概要 |
Neutral Endopeptidase 24.11(NEP)は、Na利尿ペプチドを初めとする内因性の種々の生理活性・血管作動性ペプチドを分解することにより、体液・電解質調節や血管トーヌスの調節などに関与している。今回、動脈硬化等の心血管疾患の病態におけるNEPの役割を明らかにするために、基礎的及び臨床的な研究を遂行中である。以下に、現在までの研究実績の概要を報告する。 粥状動脈硬化病変部に存在し、動脈硬化の発症・進展に重要な役割を果たしている変性低比重リポ蛋白(変性LDL)が、NEP活性に与える影響を培養ヒト臍帯静脈血管内皮細胞(HUVEC)を用いて検討した。変性LDL及びその中に豊富に存在するLysophosphatidylcholine(LysoPC)は、HUVECにおけるNEP活性を有意に増加させた(合成基質法を用いて測定した)。また、Nothern blot法にて検討したHUVECでのNEP mRNA発現レベル及びNEP/CD10に対するモノクローナル抗体を用いて検討したNEPの細胞膜表面への発現の双方において、変性LDL、LysoPCはこれを亢進させた。以上のことより動脈硬化病変部において、変性LDLがNEP活性あるいは発現を調節することにより、血管壁に対する血管作動性ペプチドの作用に影響を与えている可能性が示された。 臨床的には、急性心筋梗塞症例を対象とし、これら患者の好中球表面上のNEP活性を経時的に測定した。急性期に一過性に上昇しその後速やかに減少する群に比して、急性期から慢性期にかけて高いNEP活性を有する群においては、再梗塞や心不全への進展などの心事故を有意に高く認めた。このことは、NEPが心筋梗塞の病態に関与している可能性を示唆するものである。
|