研究課題/領域番号 |
08670815
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
循環器内科学
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研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
浅野 正久 名古屋市立大学, 医学部, 講師 (10137078)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1996年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | 動脈平滑筋 / 筋小胞体 / Ca^<2+>緩衝作用 / Ca^<2+>イオン / 電位依存性Ca^<2+>チャネル / 本態性高血圧症 |
研究概要 |
高血圧自然発症ラット(SHR)より摘出した動脈では正常血圧ウイスターキョウトラット(WKY)に比べ静止時においても電位依存性Ca^<2+>チャネルの機能が亢進しており、Ca^<2+>流入の増加・細胞内Ca^<2+>濃度の上昇がみられる。細胞内のCa^<2+>濃度が上昇すれば、これを低下させる機構が機能しているはずであり、この機構の一つとして、細胞内Ca^<2+>プールである筋小胞体のCa^<2+>-ATPaseによる筋小胞体内への取り込みが知られている。本研究ではSHRとWKYの動脈平滑筋標本を用いて、この筋小胞体によるCa^<2+>緩衝作用がSHRでどう変化しているかを検討し、以下の成果を得た。1.血圧が十分に高い13週令SHRの大腿動脈の静止時においてはWKYに比べ筋小胞体によるCa^<2+>緩衝作用が強く機能している。SHRの動脈の静止時には電位依存性Ca^<2+>チャネルが開いており、細胞内へのCa^<2+>流入が増加しているが、流入したCa^<2+>の多くは筋小胞体内に取り込まれており、Ca^<2+>流入による動脈収縮に対し筋小胞体が強い抑制をかけていると考えられる。このCa^<2+>緩衝作用は非常に重要であり、もしこの作用が減弱するとSHRでは静止時にもかかわらず非常に強い収縮がおきてしまう。2. SHRの動脈では静止時にも軽度の収縮がみられるので、静止時に流入したCa^<2+>は筋小胞体内に取り込まれると同時に、収縮蛋白系にも供給されており、このバランスが静止時の張力に大きく寄与している。3.イヌ脳動脈の静止時においては筋小胞体によるCa^<2+>緩衝作用が強く機能しており、SHR動脈と同様の現象がみられた。4.血圧上昇前の4週令SHRの動脈の静止時においても13週令SHR動脈と同様の現象がみられたので、これらの現象は遺伝的素因と関連していると考えられる。5.筋小胞体によるCa^<2+>緩衝作用が抑制されると細胞質で上昇していたCa^<2+>はいずれ細胞外へ排出されるが、このCa^<2+>排出作用はSHRの動脈では弱かった。
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