研究課題/領域番号 |
08670817
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
循環器内科学
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研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
河野 雅和 大阪市立大学, 医学部, 講師 (20153489)
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研究分担者 |
吉川 純一 大阪市立大学, 医学部, 教授 (60275245)
安成 憲一 大阪市立大学, 医学部, 助手 (90231646)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
1998年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1997年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1996年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
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キーワード | エンドセリン / 平滑筋細胞 / 増殖 / 遊走 / 冠動脈硬化 / エンドセリン受容体 |
研究概要 |
私共は、既にエンドセリン-1が培養平滑筋細胞、培養メサンギウム細胞において遊離Ca^<2+>の上昇、DNA合成の促進をもたらすこと、さらにヒト冠状動脈由来の平滑筋細胞の遊走に対してエンドセリン-1単独では平滑筋細胞の遊走に影響を与えないものの、低濃度のPDGF-BB、アンジオテンシンII(AngII)などの添加により相乗的に遊走反応を促進させること、また、エンドセリンA受容体拮抗薬はこのエンドセリン-1による遊走を抑制することを報告した。一方、エンドセリン-3の遊走促進作用はエンドセリン-1に比較し明らかに弱いものであった。酸化LDLが冠動脈硬化の発症・進展に関与していることが認められているが、酸化LDLの主要な構成リン脂質であるリゾフォスファチディルコリン(lyso-PC)は容量依存的に平滑筋細胞の遊走を促進し、その機序として内因性basic fibroblast growth factorの細胞内合成を促進させることが明らかにされたが、エンドセリン-1はlyso-PCによる遊走反応を亢進させ、一方、エンドセリンA(ETA)受容体拮抗薬であるBQ-123はこのエンドセリン-1の効果を抑制した。また、このlyso-PCはヒト冠状動脈由来の平滑筋細胞のエンドセリン-1産生を促進することも明らかになった。これらの結果はエンドセリン-1は酸化LDL内のlyso-PCとネットワークを形成して冠動脈硬化の発症・進展に関与していることを示唆しており、エンドセリン拮抗薬は、この意味で高コレステロール血症患者で認められる冠動脈硬化の予防薬・治療薬となる可能性が考えられる。
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