研究課題/領域番号 |
08670833
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
循環器内科学
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研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
石川 欽司 近畿大学, 医学部, 教授 (10088536)
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研究分担者 |
宮高 昌 近畿大学, 医学部・附属病院, 助手 (40309282)
小川 巌 近畿大学, 医学部, 講師 (60204070)
小菓 裕成 近畿大学, 医学部, 講師 (50215208)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
1998年度: 200千円 (直接経費: 200千円)
1997年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1996年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | 塩基性線維芽細胞増殖因子 / 血管新生療法 / 局所心筋血流量 / 急性心筋梗塞 / 心筋salvage / 心筋viability / 梗塞サイズ / acute myocardial infarction / myocardial blood flow / basic fibroblast growth factor / myocardial salvage / collateral flow |
研究概要 |
塩基性線維芽細胞増殖因子(basic fibroblast growth factor:bFGF)は強力な血管新生作用を有する成長因子の代表である。Yanagisawa-MiwaらによりbFGFが犬の急性心筋梗塞に投与すると新生血管が増加し、心筋salvageが生ずると報告された。しかし、梗塞部への局所心筋血流量(Qm)や動物の種属による差など、臨床応用の前に明らかにすべき点が多い。 【目的】本研究の目的は実験的心筋梗塞における梗塞部のQmがbFGFによりどの程度増加するか、心筋salvage効果やQmの増加は犬以外の動物でも等しく認められるか、を明らかにすることである。 【方法】犬(n=20)、SDラット(n=28)、家兎(n=37)において、それぞれ冠動脈を結紫し、ヒト遺伝子組換型bFGF(科研製薬)を梗塞部局所に注入し(犬300μg.SDラット及び家兎100μg)、生塩注入群をcontrol群として4週間飼育した。4週後、非放射状color microsphereを用いて梗塞部,辺縁部、健常部のQmを測定し、梗塞巣内に生き残った心筋の数(myocardium score)や線維化の程度(extent of fibrosis)を組織学的に計測した。 【結果】犬では梗塞部Qmは4週後心筋内・中・外層ともbFGF群で増加し、特に外層ではcontrol群70±6%に対しbFGF群121±13%と有意差があった。Myocardium scoreも心筋外層ではそれぞれ41±5、61±7%とbFGF群で多く、extent of fibrosis(スコア)も3.1±0.2、2.0±0.4スコアとbFGF群で線維化の程度は軽かった。しかるに、SDラットではQm、myocardium score、extent of fibrosisいずれもcontrol、bFGF両群で差がなかった。一方、家兎では梗塞部では両群間に差はなかったが、辺縁部ではQm1.47±0.80、3.39±268ml/min/gとbFGF群で増加し、myocardium scoreは35.8±20.3、61.8±8.5%と多く、extent of fibrosisも3.3±0.8、2.1±0.5スコアと軽微であった。 【総括】bFGFは犬で期待された効果が本研究でも証明できたが、SDラットでは効果がなく、家兎では辺縁部で効果が生じた。bFGFは種属や虚血発生機序などにより効能に差があることが判明した。ヒトでも個人により様々な病態があり、効果は単一でないだろうと考えられた。
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