研究概要 |
1.ヒト抹消単核球にB95-8EBウイルス(EBV)を感染させ、15種のEBV感染Bリンパ芽球株(LCL)を樹立した。樹立された15個のLCLのCD4陽性細胞をflow cytometryで検索した結果,CD4陽性率は0%-50%まで様々であった。また、CD4のmRNAの発現はRT-PCR法で確認した。このことから、EBVはBリンパ球に本来発現してないCD4を発現させることが示された。また、CD4陽性細胞の多い細胞株を得る為,Beadsで陽性細胞の多い(90%)LCLを得た。 2.HHV-6をCD4の多くの発現している(90%)LCLに感染させ、経時的にHHV-6抗原の検出を蛍光抗体間接法で、培養上清中のHHV-6DNAをPCR法で検索したが,HHV-6抗原の発現、ウイルス産生はみられなく、LCLのCD4は、HHV-6のレセプターとして働かないことが示された。 3.T cell t-ropicHIV-1(SF33)をCD4の陽性率の異なる3種の(0%、40%、90%)LCLに感染させ、培養上清中のHIV-1p24抗原を経時的に測定した結果,全てのLCLにHIV-1の感染が同様に成立したことが示された。このことは、HIV-1のLCLへの感染はCD4に依存しないことが示された。 4.HIVのコレセプターであるCCR5,CXCR4などのケモカインレセプターの発現を,RT-PCR法で検索したが、LCLには発現していなかった。
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