研究課題/領域番号 |
08670880
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
小児科学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
片村 憲司 京都大学, 医学研究科, 助手 (40185806)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
1996年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
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キーワード | Naive T / IL-4 / Th_2 / Prostaglandin E_2 / cAMP |
研究概要 |
気管支喘息をはじめとして多くのアレルギー性疾患の発症には、Th_2と呼ばれるヘルパーT細胞亜集団の産生するサイトカインが重要な役割を担っていると考えられる。しかし、未だ抗原に遭遇していないナイーブT細胞はIL-2のみを産生する特殊な細胞であり、これらの細胞がTh_2へと分化するメカニズムはアレルギーの発症病態を考える上で重要である。我々は、1995年にこれまで報告されていたIL-4以外にも、Prostaglandin E2(PGE2)が強力にTh_2への分化を誘導する因子であることを報告した。今年度の研究ではIL-4とPGE2がナイーブT細胞に与えるシグナル伝達機構を比較検討した。 1)PGE2とIL-4は互いに相加的に働き、低濃度で強くIFN-γの産生能の獲得を抑制し、その結果各々の薬物単独より強くTh_2へと分化させた。 2)これらのIFN-γの産生に対する抑制効果は、mRNAレベルでも互いに相加的に認められた。 3)各々の薬物をナイーブT細胞に作用させたときに、PGE2処理では細胞内cAMPが添加直後より12時間後まで上昇したが、IL-4処理やコントロール群では上昇は認められなかった。 4)cAMPの競合的阻害剤であるRpcAMPを培養に加えると、PGE2によるIFN-γ産生能獲得抑制は部分的に解除されたが、IL-4によるそれは影響を受けなかった。 5)IL-4やPGE2の影響下で分化した各々のT細胞の細胞内cAMPの濃度には差を認めなかった。 これらの結果より、IL-4とPGE2は互いに異なるメカニズムで相加的にナイーブT細胞に働き、Th_2細胞への分化を誘導していると考えられた。
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