研究課題/領域番号 |
08670894
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
小児科学
|
研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
香美 祥二 徳島大学, 医学部, 講師 (00224337)
|
研究分担者 |
木戸 博 徳島大学, 酵素科学研究センター, 教授 (50144978)
黒田 泰弘 徳島大学, 医学部, 教授 (20035471)
|
研究期間 (年度) |
1996 – 1997
|
研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
|
配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1997年度: 200千円 (直接経費: 200千円)
1996年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
|
キーワード | モノクロナール抗体 / 1F3 / インテグリン / 腎炎進展因子 |
研究概要 |
進行性腎炎に共通する腎細胞反応に関連した抗原分子(腎炎進展因子)を同定する為に、ヒト糸球体細胞で免疫したBALB/Cマウスより腎炎組織と特異的に反応するモノクロナール抗体(MAb)作製を試み以下の結果を得た。 1)MAb、1F3の作製と腎炎における1F3分子の免疫組織学的変化の検討 ヒト糸球体細胞で免疫したBALB/Cマウスよりクローン1F3を選別した.1F3が認識する抗原分子(1F3分子)は、正常腎では糸球体上皮とボウマン嚢上皮の細胞膜表面にのみ存在するが、重症の腎炎では線維性半月体細胞や尿細管萎縮細胞に1F3分子が強く発現していることが観察された。特に尿細管萎縮の程度と尿細管1F3分子の発現の程度は、統計学的に密接に関連していた(P<0.001)。 2)1F3分子の生化学的・生物学的特徴の検討 ヒト単離糸球体を用いた1F3で免疫沈降法を行ったところ、1F3分子は分子量125KDaのシングルポリペプチド(還元下条件)であることが判明した。ついで1F3結合immuno-affinity columnにてその1F3分子を精製し、気相シークエンサーにてN末端アミノ酸配列を分析した。19個のアミノ酸配列が得られ既知の分子とのホモロジー検索の結果、1F3分子はヒトインテグリンα3サブユニットのN末端アミノ酸配列に酷似していた。 3)腎炎患者の血液、尿中の腎炎進展因子の質的、量的変化の検索 腎炎診断法の確立を目的として、腎炎患者から同意を得た上で採血した血液、尿中の1F3分子をELISA法にて測定した。健常人の尿中の1F3分子レベルを正常コントロール値とすると、紫斑病腎炎、急性腎炎の尿中には高レベルの1F3分子が排泄されていた。慢性腎炎の代表疾患であるIgA腎症の一部にも有為な1F3分子の排泄増加を確認した。血中の1F3分子は健常人並びに腎炎患者共にELISA法では検出できなかった。今後、腎炎での組織障害の程度と尿中1F3分子レベルとの関係を検討し臨床診断法への応用を目指したい。
|