研究課題/領域番号 |
08670920
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
小児科学
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
栖原 優 日本大学, 医学部, 講師 (60171295)
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研究分担者 |
渡辺 剛史 日本大学, 医学部, 助手 (80256875)
渡辺 修一郎 日本大学, 医学部, 助手 (90297820)
津田 正彦 日本大学, 医学部, 助手 (20227416)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1998年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1997年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1996年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
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キーワード | 慢性腎炎 / 血尿 / アンギオテンシン変換酵素遺伝子 / 遺伝子多型 / アンギオテンシン変換酵素 |
研究概要 |
目的)近年アンギオテンシン変換酵素遺伝子(以下ACE)多型が腎疾患の進行に関与するとされているが、今回我々はACE多型と腎疾患の発症形式の関連について検討した。 方法)当科腎臓外来受診の各種腎疾患症例を対象として、臨床経過とACE多型との関連を検討した。臨床経過に関しては発見年齢、発見動機、薬物療法、最終観察時の尿所見・腎機能などを検討した。ACE多型については全血5mlから白血球を分離し、DNAを抽出したのちにRigatらの方法でPCRを行ないACEイントロン16を増幅した。約300bpのAlu配列を有するalleleをI、Alu配列の欠失したalleleをDとした。各症例ごとにその遺伝子型(II、ID,DD)を決定した。 結果)検索し得た症例は63例で、血尿22例、IgA腎症18例、紫斑病性腎炎6例、その他の増殖性腎炎5例、ネフローゼ症候群4例などであった。そのうち血尿例ではII11例、ID10例、DDl例であったのに対してIgA腎症ではII9例、ID4例、DD5例で、IgA腎症ではDDを有する例が多かった。また、これらの症例の発見動機とACE多型を比較すると血尿で発症した例ではII20例、ID16例、DD2例であったの対して、蛋白尿を伴った症例ではII8例、ID10例、DD6例であり、DDを有する例が多かった。さらにIgA腎症のみに限っても蛋白尿を伴った群でDDを有する例が多かった。 まとめ)従来の小児科領域からの報告と異なり、IgA腎症症例でDDが多かった。これは腎生検の適応、経過観察期間が施設により異なることによると考えられた。 発症時尿所見で蛋白尿を有する群でDDが多かったことは、蛋白尿を有する腎炎群は予後不良の例が多いという、従来の臨床的観察と一致した。
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