研究課題/領域番号 |
08670927
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
小児科学
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研究機関 | 久留米大学 |
研究代表者 |
松元 透 久留米大学, 医学部, 助手 (10229560)
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研究分担者 |
野正 貴予 久留米大学, 医学部, 助手 (20268874)
福嶋 圭子 久留米大学, 医学部, 助手 (20218910)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
1997年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1996年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | 発生 / 集合管 / 細胞分化 / 細胞極性 / BandIII蛋白 / H-ATPase / 介在細胞 / 尿細管性アシドーシス / RTAI型 / RTAII型 / BandIII蛋白(HCO3 / Cl) / 尿中脱落上皮細胞 / 腎生検組織 |
研究概要 |
酸塩基平衡関連蛋白から検討した新しい尿細管性アシドーシスの分類を試みる基礎的研究を行った。まず、腎臓における発生に伴う酸塩基平衡蛋白の発現を検討した。抗H-ATPase抗体(E11)、抗BandIII抗体(IVF12)、PNAを用いて、腎集合管のα介在細胞、β介在細胞を標識した。新生児のウサギでは、腎臓は依然形成過程にあり、H-ATPaseは細胞極性が確立できていなかった。興味深いことに、E11とPNAがともに標識された細胞、E11のみが標識された細胞、PNAのみが標識された細胞はそれぞれ生後1週で(94%、5%、1%)、生後3週で(82%、14%、4%)、成人で(82%、12%、4%)であり、新生児ほど、αあるいはβ介在細胞に十分分化していない細胞の存在が判明した。炭酸脱水酵素の活性染色では、新生児期に間葉細胞からネフロンに分化する段階で一旦発現を認めるものの、その後本来の部位へ収束することが判明した。一方、臨床的に、RTAI型の患児からの尿中脱落尿細管上皮細胞では、免疫組織染色で正常コントロール群に比較して、H-ATPaseの染色性の低い症例が認められた。同様に、RTAII型でも脱落尿細管上皮細胞にH-ATPaseの染色性の低い症例を認めた。また、IVF12による染色では、今回検討したRTAI型の患児には、BandIII欠損症を疑わせる症例は認めなかった。新生児が酸塩基平衡異常をきたし易い原因として、細胞分化の未熟さと細胞極性の確立の不十分さが示唆された。また、RTAの酸塩基平衡関連蛋白に関しては、H-ATPaseの発現両の低いことが蛋白レベルでの原因の一つと考えられた。今後は、酸負荷などによるヒトでのH-ATPaseやBandIII、CAなどの蛋白増加量あるいはRT-PCRなどによるmRNAの変化の検討が必要と思われた。
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