研究課題/領域番号 |
08670934
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
小児科学
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研究機関 | 国立小児病院 |
研究代表者 |
宮下 俊之 国立小児病院, 小児医療研究センター・先天異常研究部・遺伝染色体研究室, 室長 (60174182)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1996年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | アポトーシス / 転写制御 / プロモーター / bax / c-myc / bcl-2 / グルココルチコイド |
研究概要 |
1.c-mycによるbax遺伝子の発現制御 CAT遺伝子の上流にbaxプロモーターをつないだプラスミドをc-mycの発現ベクターと共にrat-1細胞に遺伝子導入し、CAT活性を測定することによりbaxプロモーターの活性を測定した。その結果c-mycは遺伝子導入量に依存してbaxのプロモーター活性を抑制することが判明した。次にこの抑制が転写段階で働いているのか、あるいはそれよりあとに作用しているのかを検討するため、遺伝子導入されたCAT、あるいは内因性のbaxのRNA発現量をノーザンブロット法で解析したところc-mycによる制御は認められなかった。これらのことからbaxのc-mycによる抑制は転写後のいずれかの段階で行われていると推測された。 2.グルココルチコイド受容体の転写制御能に及ぼすBcl-2の影響 グルココルチコイドによるアポトーシス誘導のメカニズムとBcl-2の強発現によるその抑制機序を解析した。グルココルチコイド受容体(GR)は転写因子の一つであり、グルココルチコイドと結合することにより細胞質から核に移行して機能する。GRによる下流の遺伝子の転写活性化はBcl-2の強発現により影響を受けなかったが、転写因子AP-1を介する転写抑制能はBcl-2強制発現により解除されることがわかった。この抑制解除のメカニズムをみるため、Bcl-2とGRの結合の有無をGST融合蛋白を用いて検討したが、少なくともこの2者の直接の結合は証明されなかった。以上のことより、グルココルチコイドは、AP-1によって転写調節されている“survival gene"を抑制することによってアポトーシスを誘導しており、Bcl-2はその抑制を解除することでアポトーシスを阻止している可能性が示されたが、その解除のメカニズムまでは明らかにできなかった。
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