研究概要 |
平成8年度:皮膚病変部の免疫組織学的検討とダニ特異的Tリンパ球増殖反応における役割costimulatory moleculeのACD,ADの発症機序における役割をin vivo、in vitroにて解析した。接触皮膚炎、アトピー性皮膚炎患者の病変部、パッチテスト部のCD80(B7-1),CD86(B7-2)の局在、発現程度を免疫組織化学的に蛋白レベルを解析した。その結果、ADの病変部ではCD80が42%をLCにCD86が100%のLCに発現していた。CDの皮膚病変部でもCD80,CD86それぞれLC上に29%,57%発現していることが判った。また、正常皮膚ではB7分子は発現していなかった。AD,CDの皮膚病変部ではにCD86の発現頻度がCD80より高かった。さらに、AD患者のダニ特異的リンパ球刺激試験においてCD86抗体でLCを処理するとほぼ100%リンパ球増殖が阻止されるが抗CD80抗体では全然阻止できないことよりことよりすくなくともADのダニ特異的リンパ球増殖反応ではリンパ球を活性化させる副刺激はCD80でなくCD86であることが判った(Ohki O et al.:The functional CD86is predominantly expressed in LC in AD,Br.J.Dermatol.,1997:136:838-845)。さらに、ヒトLCのB7分子の発現調節を解析した。分離したLCを各種のサイトカインで刺激したところ1FN-γ,GM-CSFがともにCD80,CD86の発現を誘導したがIL-4はCD86のみ発現を誘導した。また、IL-10はCD80,CD86ともに発現抑制した(Yokozeki H,et al.:IFN-γ differntially regulate CD80 and CD86 expression on humanLC,Br.J.Dermatol.,136:831-837,1997)。また、lmMTNBSなどのハプテンを器官培養系に投与したところ特にCD86が24時間後に強く発現した。 平成9年度:マウスin vivoでの接触アレルギー免疫寛容の誘導また、TNP結合LCをBalb/c miceの静脈内に投与して感作せるときに抗CD86抗体もしくは抗CD80抗体でLCを処理することにより感作を抑制しうるか検討した。その結果、マウスLCのCD86がCD80より接触アレルギー感作成立において重要な役割を果たすことも報告した。また、0.5mMのTNBSでマウス表皮を刺激したところ3時間後にCD80,CD86共に発現した。(Katayama I,et al.:Role of costimulatory molecules CD80 and CD86 in induction of contact sensitivity by haptenated epidermal cells,Bsri.J.Dermatol.,in press,1997)。
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