研究概要 |
申請者らは線維芽細胞にhuman IL-1 converting enzyme(ICE)遺伝子を組み込んだβアクチンプロモーター発現ベクターを導入することにより細胞死を引き起こせることを確認し,その至適条件を確立した。ついで扁平上皮細胞株,培養表皮細胞を標的として同遺伝子を導入し,同様に同遺伝子により細胞死が生ずる条件を設定し,細胞死を誘導できることを確認した。さらに,表皮細胞をターゲッティングするため,表皮細胞特異的に発現する遺伝子プロモータを用いたlCE発現ベクターを作成した。この遺伝子のtransfectionにより,線維芽細胞と表皮細胞混合培養系において表皮細胞のみにapoptosisによる細胞死を誘導できることを確認した。一方,本遺伝子のin vivoでの有効性を確立するため,ICE遺伝子DNAのin vovo導入実験を行い至適条件を確立した。それにより,マウス皮膚内に72時間以内に細胞死と,炎症性肉芽腫を作ることに成功した。なお抗体による中和実験によりこの反応が,IL-1特異的な経路を介したものであることを確認できた。さらに組織学的検索によりこの細胞死が,apoptosisをしめし,IL-1βの成熟体が局所に産生されており,ICEは生理的機能を示したいることを明らかにした。現在これらのデータをまとめ発表準備中である.
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