研究課題/領域番号 |
08671033
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
放射線科学
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
菅 一能 山口大学, 医学部附属病院, 助教授 (90171115)
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研究分担者 |
清水 建策 山口大学, 医学部附属病院, 医員(臨床)
西垣内 一哉 山口大学, 医学部, 助手 (40263769)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
1998年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1997年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1996年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | SPECT / Xenon-133ガス / 肺換気シンチグラフィ / 肺 / 閉塞性肺疾患 / 肺容量減少術 / Xenon-133 ガス / ゼノンガス / 肺換気 |
研究概要 |
ゼンノンガス(Xe-133)肺洗い出し検査は肺局所換気異常を鋭敏に検出する方法であるが、従来のプレイナー像による検査法では、多方向からの撮像が困難で胸壁や肺組織の重なりを避けられず、異常換気部位の解剖学的位置の正確な把握が困難であるなどの欠点を有していた。我々は、平成8年度〜10年度科学研究費補助金[基盤研究(C)(2)]を受け、3検出器型SPECT装置の連続反復回転収集モードによるdynamic SPECT法を開発した。肺局所換気の定量評価には、選択した肺横断面における肺局所の洗い出し半減時間(T1/2値)および平均通過時間(MTT)のファンクショナルイメージを用いた。本法は、プラナー像に比しXe-133貯留部の検出に優れており、胸部computed tomography(CT)像との対比も容易である。その安全性および定量的評価法の正当性も、健常ボランティア(7名)および多数の閉塞性肺疾患および他肺疾患患者(合計92例)で確認された。さらに、多くの断層像を扱う本SPECT検査を簡素化するため、サーフェイスレンダリング法により立体画像も開発した。この立体画像では、肺表層のみならず肺深部に存在するXe-133貯留部も平衡相イメージを透して可視でき、さまざまの角度から観察可能で、本3次元画像導入により、Xe-133貯留部の空間的分布や拡がりの把握が格段に容易となった。また本画像ではXe-133貯留部の占める容積の指標(retention index)の算出され定量評価に有用で、Xe-133洗い出し時間(Tl/2)や呼吸機能検査値(1秒率)との良良好な相関が認められた。Dynamic SPECT法は、閉塞性肺疾患のみならず、肺癌などの占拠性病変における換気異常検出にも優れていた。本法は、肺気腫に対する胸腔鏡下肺容量減少術における切除肺部位決定において胸部CTよりも有用性が高く、治療効果判にも有用で術前後の肺機能検査値(%FEV1)とも相関が認められた。また、本研究過程で、肺血流SPECTの立体画像化、spiral CTによる肺densitometryの有用性の検討、MRによる胸郭横隔膜運動と局所肺換気の相互作用についても研究を行い、その研究成果を欧文雑誌に掲載した。以上、本研究で開発した肺dynamic Xe-133 SPECTおよびその立体画像は、肺局所換気の定性および定量評価に有用な新しい呼吸器核医学の検査法となり得ると考えられる。
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