研究概要 |
7〜8週齡の雄C3H/Heマウスに対して、^<60>Coガンマ線を用いて線量率114cGy/min.にて、無麻酔下に2、7、20Gyの全身照射を行った。照射前および照射30分後、1、2、3、6、12、24、48、96時間後にマウスを屠殺し、速やかに肝、脾、腎、脳を摘出し、液体窒素中にて凍結保存した。 各組織をホモゲネートし、RNAを抽出し、逆転写によりcDNAを作製し、p53,WAF1,c-fos,c-myc,Fas,bc1-2の各プライマーを用いてPCRを行い、各遺伝子発現の変動を経時的に解析した。 7Gyの全身照射群においては、肝のWAF1およびc-mycの遺伝子発現は、照射1〜3時間後で2〜3倍に増加し、c-fosでは2〜6時間後に増加を認めた。脾では、WAF1およびc-fosの著名な増加を照射3時間後から96時間後にわたって認めた。腎では、WAF1は照射30分後から6時間後にわたって著明に増加した。脳では、照射3時間後でFas、6時間後でWAF1の著明な増加を認め、c-fosの減少を認めた。全身照射2Gy、20Gy群については、現在、検討中である。 20Gyの局所照射を行ったSCCVII腫瘍については、照射1時間後および24時間後でのp53の増加を認め、WAF1も24時間後には急激に増加した。また、3時間後および24時間後でのc-fosの増加、24時間後でのFasの増加を認めた。なお、30Gyの全身照射群および、C3MC2腫瘍については、現在、検討中である。
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