研究課題/領域番号 |
08671043
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
放射線科学
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研究機関 | 札幌医科大学 |
研究代表者 |
坂田 耕一 札幌医科大学, 医学部, 講師 (10235153)
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研究分担者 |
森田 和夫 札幌医科大学, 医学部, 教授 (20045347)
晴山 雅人 札幌医科大学, 医学部, 助教授 (10173098)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
1997年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
1996年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | DNA-PK / 放射線感受性 / スフェロイド / 潜在致死障害 |
研究概要 |
1 異なる放射線感受性を持つ2種の細胞のDNA-PK(DNA依存性プロテインキナーゼ)活性を測定した。悪性リンパ腫細胞HK-1と甲状腺癌細胞Suzukiを用いた。Suzuki細胞のほうが、HK-1細胞より、放射線感受性が高いが、DNA-PK活性は、Suzuki細胞が2.3x10-2pmol/μg、HK-1細胞が5.7x10-2pmol/μgと、あまり差が見られなかった。 2 骨肉腫細胞(MG-63)を用いて、直径100μmのSpheroidを作成し、DNA-PK活性がspheroid培養で変化するかどうかを調べた。MG-63細胞は、単層培養の状態で照射された場合に比し、3次元的なcell-to-cell contactを有するspheroid培養の状態で照射されたほうが、放射線抵抗性となる。対照として、log phaseとconfluent phaseの単層培養のMG-63細胞を用いた。しかし、spheroid培養、log phaseとconfluent phaseの単層培養間のDNA-PK活性にあまり差が見られなかった。 3 電離放射線の潜在致死傷害(PLD)は2種類存在し、それは、高張溶液感受性のfast-typeのPLD修復と、定常期の細胞にみられるslow-typeのPLD修復である。fast-typeのPLD修復は、DNA二重鎖切断の修復との関連が示唆されている。不等張塩溶液によるfast-typeのPLD修復阻害の機序として、不等張塩溶液がDNA-PK活性を阻害することにより、DNA二重鎖切断の修復が阻害されることが考えられる。そこで、悪性黒色腫細胞のなかで、X線に対して高感受性株P39(D_0=74cGy、Dq=85cGy)と抵抗性株G-361(D_0=145cGy、Dq=249cGy)のfast-typeのPLD修復能を比較すると、G-361細胞株が、P39細胞株より高い修復能力を示す。上記2種の細胞で、照射直後に高張溶液に1時間曝した群と無処理群のDNA-PK活性を比較したが、2種の細胞ともDNA-PK活性は2群間に差がみられず、上記の可能性に否定的な結果が得られた。
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