研究課題/領域番号 |
08671064
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
放射線科学
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研究機関 | 国立環境研究所 |
研究代表者 |
三森 文行 国立環境研究所, 環境健康部, 室長 (90125229)
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研究分担者 |
板井 悠二 筑波大学, 臨床医学系, 教授 (30010268)
山根 一祐 国立水俣病総合研究センター, 基礎研究部, 主任研究員 (40182589)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
1998年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1997年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1996年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | MRイメージング / LECラット / 肝細胞癌 / 肝紫斑症 / Gd(DTPA) |
研究概要 |
肝細胞癌の発症率が高いと言われるLong-Evans Cinnamon(LEC)ラットの同一個体をMRイメージング法を用いて繰り返し観察することにより、肝細胞癌を含む肝疾患の進展過程を追跡することを目的とする。長期観測に先立って11匹の老齢LECラットを用いて肝のMRイメージ測定と病理診断を組み合わせた肝疾患のキャラクタリゼーションを行った。これにより、新生及び異形成結節(高分化型肝細胞癌を含む)、肝紫斑症、胆管線維症、嚢胞の画像上の鑑別診断が可能となった。この結果をもとに、長期観測群の12匹のラットにおいて60、75、90、100週齢でMRイメージングの測定を行い、イメージング及び病理診断の両者で確認される病変として、肝細胞癌を含む新生及び異形成結節4例、肝紫斑症24例、胆管線維症7例、胆管拡張症4例、嚢胞腺腫3例を確定した。これらの内28病変が、T2緩和時間、造影前後のT1強調画像における病変/正常肝の信号強度比等の画像上の特徴、肝内における病変発症位置から判断して、2回以上の測定で追跡可能であった。これより、前記病変の画像上の特性は嚢胞腺腫のT2緩和時間が病変の増大に伴って延長傾向を示す他は、その発症から100週齢に至るまで良く維持されることが明らかとなった。また、いずれかの病変が他の病変の前兆となるといった病変発症の相互関係は本研究では認められなかった。さらに、同一病変を繰り返し画像測定できるというMRイメージング法の特長を生かして、各病変の成長速度を求めることができた。各病変の成長速度は、病変体積のダプリングタイムとして、新生及び異形成結節4.1週、肝紫斑症5.8週、胆管線維症20.3週、胆管拡張8.7週、嚢胞腺腫4.6週であった。得られた成長速度は癌性病変で最も速く、胆管線維症で最も遅いという各病変に特徴的なものであった。
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