研究課題/領域番号 |
08671084
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
精神神経科学
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研究機関 | 滋賀医科大学 |
研究代表者 |
加藤 進昌 滋賀医科大学, 医学部, 教授 (10106213)
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研究分担者 |
定松 美幸 聖路加国際病院, 精神科, 医員 (90252387)
石田 展弥 滋賀医科大学, 医学部, 講師 (20159742)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
1997年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1996年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | てんかん / 直早期遺伝子 / 海馬 / 下丘 / グルタミン酸受容体 / ニューロペプチドY / ニューロペプチド Y / c-fos / in situ hybridization / ラット |
研究概要 |
本研究は、今なお頻度が高く難治例も多いてんかんの治療に資するとともに、周期性に異常放電を繰り返すという「けいれん準備性」という異常可塑性の成立と、その興奮が伝播するネットワークの構築が、どのようにできるかを検討する目的で実施された。各種の動物モデルを用いて以下の結果を得た。1)新生児期に軽度の低甲状腺状態において成熟後に出現する「聴覚刺激誘発性てんかん」は、全般てんかんのモデルとして好適であり、その発作は脳幹の下丘に起始し海馬は関与しないことを証明した。この研究は、現在その薬理学的機序にまで進展しつつあり、下丘のグルタミン酸受容体のサブタイプの関与の程度を検討している。2)次に、遺伝的なてんかんモデルとして我が国で発見されたIhara's geneticallyepileptic rat(IGER)について、その脳内のペプチド含量を検討した。この結果、IGERでもspontaneously epileptic rat(SER)と全く同様に、ニューロペプチドY(NPY)が海馬で高値を示すとの所見を得た。これらの遺伝的モデルが代表する辺縁系発作では、海馬でのNPYの関与が異常可塑性の発現には大きいことが考えられた。3)そこで、有機錫を経口投与すると、てんかん患者の脳に見られる組織病変と似た変化が海馬で見られる事実を我々は以前から報告しており、このモデル(trimethyltin-TMT model)を上記の所見の検証に応用した。その結果、TMT投与早期に一過性のNPYをはじめとするペプチドmRNAの上昇が見られること、それに各種の免疫・内分泌関連因子の変化が先行することが示唆された。これは上記の組織変化のメカニズムに迫る大きな手がかりと思われ、今後の研究の方向を示すものとして非常に重要と考えられている。
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